全世界の日本の在外教育施設の在籍学生数 (2024年)

海外教育振興財団(JOES)が発行していた「海外子女教育」という機関誌で「ただいま何人!?」というシリーズがあり、在外教育施設で学ぶ子女の在籍者数のレポートが掲載されていたのですが、「海外子女教育」は2023年に廃刊になってしまいました。「ただいま何人!?」シリーズは、どうなってしまうのかと気になっていたのですが、JOESのオンラインマガジンである”JOES Magazine”で無事引き継がれ、2024年の集計も以下のサイトで公開されています。

全世界の日本の在外教育施設の在籍学生数 (2022年)

海外教育振興財団(JOES)が発行する「海外子女教育」で数年に一回くらいの頻度で1月号に在外教育施設で学ぶ子女の在籍者数のレポートが掲載されています。今年(2022年)の1月号にも、「ただいま何人!?」という記事で、最新の在外教育施設で学ぶ子女の在籍者数が報告されていました。 海外子女教育振興財団 (2022). 「ただいま何人!?」在外教育施設在籍者数. 海外子女教育, 1, 44-49. https://www.joes.or.jp/cms/joes/pdf/publish/kikanshi2/202201omdt.pdf その記事によると、2022年の情報 (調査時期は2020年-2021年)では、全世界で日本政府が把握している「日本人学校」と「補習授業校」の在籍子女数は44,728人とのことです。また、その他にも、私立在外教育施設と区別される教育機関(「慶應義塾ニューヨーク学院」など)や文部科学省や外務省からの援助を受け取っていないが、日本語による教育を実施している教育施設(「ニューヨーク育英学園」など)に所属している子女が3,950人おり、合計で、48,678人の学生が全世界の在外教育施設で日本語を利用して勉強しています。 このブログポストにもありますが、在外にいるとされる日系子女の総数と比べてみると、この数はかなり低い数になっています。おそらく理由としては、以下のようなものが挙げられると考えられます。 日本政府が把握している在外教育施設に含まれない教育機関(草の根的な小さな週末学校など)で勉強する子女が調査に含まれていない。 現地校のみで、日本語の学習などは家庭で行なっている。あるいは、日本語による学習は全く行っていない。 実際に調査に含まれていない子女がどれくらいいるのか、どのくらいの日系子女が日本語による学校教育をおこなっていないのかは、今のところわかっていません。 他方、わかっている情報を見てみると、いろいろな興味深いパターンが見えてきます。「海外子女教育」の2019年号でも同様な情報が公開されたのですが、その際の合計子女数は59,795人とのことでした。2022年の同じ調査の数が、48,678ということですので、ここ3年で急激に在外教育施設で学ぶ子女の数は減っています。これが、コロナ禍の中で行われた調査であったため、一時的に学生数が減っているのか、長期的な傾向として減っているのかはわかりません。この記事では、最も子女が多かった時期 (2013年前後)では、70,000人近い子女が在外教育施設で学んでいたということですので、もしかしたら長期的な傾向として減少している中で、コロナ禍のために多くの学校が閉鎖や中止に追い込まれている可能性は大いにあると思われます。 2022年のデータを見てみると、学齢期前(幼稚部)が4,285人、小学生が32,991人、中学生が8,995人、高校生が2,407人とのことですので、これまで通り、多くの子女は小学生の年齢で、中学生や高校生のレベルで日本語での教育を続ける子女はごく一部のようです。 地域的には、アジア 14,117人 (29.0%)、北米 … More

6歳までのアメリカ現地校、日本人学校、補習校進学スケジュール

アメリカのUPKやpublic schoolなどの現地校の学校暦は9月始まりですが、多くの日本人学校、補習校は日本の学校暦 (4月始まり)を利用しています。ただでさえ、数え歳や満年齢などややこしいことが多いのに、学校暦まで二つあると大変です。まず、数え歳と満年齢の違いは、以下のとおりです。日本の祭事などでは、数え年が使われることがありますが、多くの場合は、「年齢」というと「満年齢」を使っています。 満年齢: 誕生日を基準にした年齢。2015年の4月2日に生まれた子供は、2016年の1月1日では0歳で、2016年の4月2日で1歳になる。 数え年: お正月を基準にした年齢。2015年の4月2日に生まれた子供は、2015年の4月2日で1歳で、2016年の1月1日に、2歳になる。簡単に言うと誕生日でも年齢が増えない。 日本人学校の入学などに関しては、日本の学校の暦に準じた学校暦年齢が主に使われています。ですので、4月1日時点での年齢によって、その年に学校に入学するのかしないかが決まります。ニューヨークでは、4月1日以前に生まれている場合は、アメリカの学校も日本人学校も同じ年に始まることになりますが(4月始まりか、9月始まりの違いだけ)、4月1日以降ですと、学校歴の違いだけでなく、同じ年にアメリカの学校と日本の学校で学年が異なることになります(アメリカの学校では1年生だが、日本人学校だと幼稚園年長など)。 さらにややこしいことに、アメリカでは国ではなく、各州に義務教育の責任があるので、州によって義務教育が始まる年や、年齢の数え方が異なってきます。2019年時点では、ニューヨーク州では、義務教育は6歳(1年生)からの開始ですが、住民の権利として、UPK(4歳)とKindergarten(5歳)の教育を受ける権利があります。NYCの3K, UPK, public schoolでは、入学に関する年齢の数え方は、満年齢ではなく、1月1日を基準とした数え年で入学年齢が決まります(私立の学校などでは、満年齢を使うところもあるようです)。 ですので、NYCの公立保育機関の利用に関しては、1月生まれの子供と、12月生まれの子供の間では、おおよそ1年くらいの差がでることになります。12月など年末に生まれた子供の場合は、非常に早くに公共教育施設に入ることができます。他方、1月など年始が誕生日の子供と年末が誕生日の子供の間には1年近くの年齢差があるので、学校での成績などに関しては年末生まれの方が不利になることが多いです。 詳しくは、以下の生まれたタイミングによる7歳までの学校入学パターン表を参照ください。

PS147 (Japanese-English Dual Language Program)の2019年度の申込み締切り

Japanese-English Dual Language ProgramのあるPS147の幼稚園への申込みに関する情報です。締め切りは、1月14日とのことです。同校の詳しい情報は、PS147 Japanese DLPのウェブサイト(https://ps147jdlp.org)にあるそうです。 —————————— NY公立小学校 PS147 (日本語バイリンガルプログラム)キンダーへの申し込みは、2019年1月14日締切りです。 2019年度にキンダーに入学の資格があるお子様で、日本語バイリンガルプログラムにご興味のある方は、DOEの申し込みの際に PS147 Isaac RemsenのJapanese Dual Language をお選びください。 申込みの締切りは 2019年1月14日です。 2015年から開始されたPS147のJapanese … More

Parent-teacher conference (保護者懇談)

今年、上の子がpublic schoolのkindergartenに入ったのですが、そのparent-teacher conference (保護者懇談)がありました。Pre-Kの時もあったのですが、Pre-Kでは成績などはつけられずに文章で書かれた成績をもらうだけだったのですが、kindergartenではDOE指定のReport Cardというものにそって、成績がつけられます。DOEのレポートカードは、DOEのウェブサイト (https://www.schools.nyc.gov/school-life/learning/student-records-and-transcripts/report-cards)にあります。Kindergartenのものはこんな感じです。 で、parent-teacher conferenceの当日に、成績をもらうのですが、パッと見たら、2とか3とかがいっぱい。日本の小学校とかでは、ほぼ全部が「たいへんよくできました」で、一つくらいが「できました」とか「がんばりましょう」だったような気がするのですが、うちの子は幼稚園からヤバイのかと心配になってしまいました。で、いろいろ聞いてみたら、NYCの成績のつけ方はabsolute assessmentで、学年の目標 (standards)に到達しているかどうかを指標につけられているので、学年の最初の方は2やら3が多く、学期の最後の方には3とか4とかになるとのことでした(慰められているだけかもしれませんが)。幼稚園児から目標に達しているかどうかとかを問われるとは、やっぱりアメリカはシビアです。 で、実際の面談は、結構サクサクと進みました。「日本語もがんばってやってもらいたいと思っているんです」と言ってみたら、「バイリンガルの子供は、学年が小さいうちは英語能力がモノリンガルの子供より劣ることがしばしばあるんですが、2-3年したら差とかはなくなりますよ」とのお返事でした。Dual languageとかのプログラムなどはない普通のpublic schoolなんですが、先生がバイリンガル教育に理解があるのは少し嬉しかったです。

Gifted and Talented Programの説明会

うちの近くのGifted and Talented Programから入学許可をもらえたので、入学説明会に行ってきました。とりあえず、最初の感想は、以下のような感じです。 いろいろNew York Timesなどの記事で読んでいたのですが、GT Programには、民族的にアジア人と白人の人が多かったです。これまで色々な学校の説明会などに行ってきたのですが、会場に行った瞬間に、明らかに民族的な隔たりがあるのを感じました(自分もアジア人でそれに貢献してしまっているのですが)。 移民的には、1st generationと2nd generationの人が多かったです。自分と同じような1st generationの家族の人と話しをした時には「自分の子供には、継承語(日本語)をできるだけ保持してもらいたいんですが、あなたな何かしていますか」という話をしたのですが、継承語教育に熱心な人は少なかったです。そこは、かなりめげました。 Gifted and Talentedに入るのに高額のtutoringとかをする人もいるとかいう記事を読んでいて、ちょっと教育ママ/パパがたくさんいるのではと心配だったのですが、あって話した人は普通の感じの人ばかりでした。他方、やっぱりみんな学校について調べたりする人が多いようで、「この学校はあれが強い」とかいうような話が多かったです。自分も、お金はかけたくないけれども、子供のために学校のことについて調べたりするのは好きなほうなので、子供の教育に関して自分と同じような感覚の保護者が多いようで、よかったです。 学校見学をしたのですが、特に何かが目立って他のpublic schoolと違うという雰囲気はありませんでした。一つ違うなぁと思ったのは、先生や職員の人がMacのノートブックを使っていて、常にそれを持ち歩いていました。デジタル化が進んでいる雰囲気がしました。 全体の入学説明会の前に、principalが各家庭の保護者と子供と5-10分程度の面接をしていました。他のところだと、principalが説明会に来ることはあっても、assistant principalの人が取り仕切っって途中で出て行ってしまったりするのですが、principalが個人で面接してくれるのはすごいと感じました。学生が少ないので、個々の学生に目が行き届くのかなぁと思いました。 あと、ちょっと驚いたのは、DOEが手配するバスは、学校から家までの距離が1 … More

Gifted & Talented (G&T)プログラム (Kindergarten) について

Gifted & Talented (G&T)プログラムのOpen Houseにいくつか参加したのですが、大体の雰囲気としては、以下のような感じでした。 どのG&TプログラムでもKindergatenレベルでは同じだなぁと感じたことは、 どのG&Tプログラムも、基本的には普通(General Education)クラスと同じCommon Core Curriculumに沿って授業を行うが、進度が早いので、余った時間などでproject-based learningやexperiential learningなどを行っている。 教材では、GoMathというプログラムReadyGenというプログラムが採用されていることが多く、それほど大きい違いはなかった。教材をどのように使うかというのは、学校によって様々で、先生の裁量で教えることを決められる学校や、指導方法が統一されている雰囲気の学校もあった。 Kindergatenレベルで、学校ごとに違うと感じたことは、 宿題に対する対応。中には、宿題は当然という感じのプログラムもあれば、宿題はoptionalでというかんじの学校もあった。 学校の学習に対する態度は、center timeという自由時間がどの程度の学年まで続くのかということで結構わかった。中には、center timeは、ほぼないというところもあれば、積極的に取り入れているというところもあった。 学校全体の強み (art, … More

ニューヨークで3歳からの無料全日保育開始

vニューヨーク市では、4歳からのUniversal Pre-K (UPK)という無料の全日保育制度が2014年に市長に当選したBill de Blasioによって開始されたのですが、今年再選をした際に、そのUPKを3歳から始めると公約をしており、実際に来年から3K-UPKが始まるそうです。 NYC Department of Education (https://www.schools.nyc.gov/enrollment/enroll-grade-by-grade/3k)によると、3K-UPKは段階的に始まるそうで、2020年までの予定は以下の通りです。 2018-2019: District 4 (East Harlem) and District 27 (Broad Channel, … More

Gifted & Talented (G&T) Test

上の子供のGifted & Talented (G&T) Testについての案内が来ました。どこかで、Pre-Kの先生がG&Tのテストを受けたほうがいいという子供を選別して、テストの案内を配布するって聞いていたいのですが、テストの案内はメールでUPKに入っている保護者全員に案内をしているようでした。 毎年オンラインでハンドブックを配布しているそうで、2018年度のGifted & Talented Handbookはhttp://schools.nyc.gov/ChoicesEnrollment/GiftedandTalented/Resources/default.htmでダウンロードできるそうです。 一応、ハンドブックに目を通して大事だなーと思ったポイントは、 G&Tには、通常の学校に付属してあるDistrict-wide programと、学校全体がG&TのCitywide G&Tがある。 G&Tのテストの登録は11月初旬くらいまでに登録して、実際のテストは次の年の1月頃。 G&Tのテストで90 percentile以上がとれるとDistrict-wide programへの応募資格がもらえ、97 percentile以上で、Citywide G&Tに応募資格がもらえる。 G&TのテストはUPK(5歳以上)から2年生(8歳)までしか受けられない。 … More

子供のUPK決定: Long Island City YMCA

子供が満四歳になり、Universal Pre-K (UPK)の入学時期になったので、いろいろな学校を回ったり、学校についてのリサーチをしたりしました。いろいろ紆余曲折がありましたが、結局、自分の子供は自分の職場に近いLong Island CityのYMCAにあるUPK Programに入学させる事にしました。決め手になったのは、 職場に近く、仕事の前と後に子供をdrop offしたりpick upできる。仕事をしつつも、子供との交流ができるかもという野望が生まれた。 教室のスペースが広かった。 プールが併設してあり、毎週スイミングクラスがあった。 YMCAのリベラルな教育信条が前面にでていた。 日系人子女(特に日本人と非日本人の間に生まれた子供)が多く、子供のアイデンティティ形成に良いかと思った。 日本語のアフタースクールができると聞いた。 という感じです。ネガティブな点は、 UPKのみが開設されているので、一年後には、Kindergartenに入学するために新しい学校を探さなければならない。 屋内のジムやプールなどの施設は充実しているが、周りに公園もなく、外で遊ぶ機会が少ない(確か、週に一度だけちょっと離れた公園まで行くといっていました)。 交通量が多い道路の前にあるので、広々とした安全な環境といった感じではなく、少し子供の送り迎えなどが心配。 という感じです。また、2017年の9月から実際に通ってみたら、いろいろな発見があるのかもしれません。