全世界の日本の在外教育施設の在籍学生数 (2022年)

海外教育振興財団(JOES)が発行する「海外子女教育」で数年に一回くらいの頻度で1月号に在外教育施設で学ぶ子女の在籍者数のレポートが掲載されています。今年(2022年)の1月号にも、「ただいま何人!?」という記事で、最新の在外教育施設で学ぶ子女の在籍者数が報告されていました。

その記事によると、2022年の情報 (調査時期は2020年-2021年)では、全世界で日本政府が把握している「日本人学校」と「補習授業校」の在籍子女数は44,728人とのことです。また、その他にも、私立在外教育施設と区別される教育機関(「慶應義塾ニューヨーク学院」など)や文部科学省や外務省からの援助を受け取っていないが、日本語による教育を実施している教育施設(「ニューヨーク育英学園」など)に所属している子女が3,950人おり、合計で、48,678人の学生が全世界の在外教育施設で日本語を利用して勉強しています。

このブログポストにもありますが、在外にいるとされる日系子女の総数と比べてみると、この数はかなり低い数になっています。おそらく理由としては、以下のようなものが挙げられると考えられます。

  • 日本政府が把握している在外教育施設に含まれない教育機関(草の根的な小さな週末学校など)で勉強する子女が調査に含まれていない。
  • 現地校のみで、日本語の学習などは家庭で行なっている。あるいは、日本語による学習は全く行っていない。

実際に調査に含まれていない子女がどれくらいいるのか、どのくらいの日系子女が日本語による学校教育をおこなっていないのかは、今のところわかっていません。

他方、わかっている情報を見てみると、いろいろな興味深いパターンが見えてきます。「海外子女教育」の2019年号でも同様な情報が公開されたのですが、その際の合計子女数は59,795人とのことでした。2022年の同じ調査の数が、48,678ということですので、ここ3年で急激に在外教育施設で学ぶ子女の数は減っています。これが、コロナ禍の中で行われた調査であったため、一時的に学生数が減っているのか、長期的な傾向として減っているのかはわかりません。この記事では、最も子女が多かった時期 (2013年前後)では、70,000人近い子女が在外教育施設で学んでいたということですので、もしかしたら長期的な傾向として減少している中で、コロナ禍のために多くの学校が閉鎖や中止に追い込まれている可能性は大いにあると思われます。

2022年のデータを見てみると、学齢期前(幼稚部)が4,285人、小学生が32,991人、中学生が8,995人、高校生が2,407人とのことですので、これまで通り、多くの子女は小学生の年齢で、中学生や高校生のレベルで日本語での教育を続ける子女はごく一部のようです。

分類子女数
幼稚部4,285
小学部32,991
中学部8,995
高等部2,407

地域的には、アジア 14,117人 (29.0%)、北米 19,409人 (39.9%)、欧州 10,444人 (21.5%)が主な地域になっています。

JOESただいま何人在外教育施設在籍者数2022EnrollmentByArea

他方、地域ごとに利用する教育機関の種類は大きく異なり、大まかには、アジア圏では全日制の日本人学校を選択する子女が多いのですが、北米および欧州では、週末のみの補習授業校を選択する子女が多数を占めています。これは、平日に通う現地校が、言語、政治、宗教の違いなどから選択しづらい地域がアジアには多く、他方、北米と欧州では、現地校に通っても日本人学校に近い基準の教育を受けられることが多いためだと思われます。

 日本人学校補習授業校私立在外教育施設その他
アジア12,1821,49236281
アフリカ7672
中南米467184
中東30492
北米41516,1894232,382
大洋州1573121235
欧州2,3587,619335132

日本人学校に通う子女だけのデータと補習授業校通う子女だけのデータを地域別に分けてみると、その傾向がよくわかります(上記の全体のチャートを比べてみてください)。大まかに言うと、日本人学校というと、その大多数(76.3%)がアジアに存在し、そのため、アジア圏で補習授業校に通っている子女はごく僅かになります。他方、補習授業校というと、多くが北米 (56.3%)、欧州 (26.5%)に存在します。北米で、全日制の日本人学校に通う子女は、全体のわずか2.6%に過ぎません。

JOESただいま何人在外教育施設在籍者数2022EnrollmentByArea日本人学校JOESただいま何人在外教育施設在籍者数2022EnrollmentByArea補習授業校

最後に、ニューヨーク近郊の在外教育施設のデータを「ただいま何人!?」の記事から抜粋しています。

ニューヨーク近郊の在外教育施設の在外教育施設在籍者数

名前種類地域幼稚部小学部中学部高等部調査日
ニューヨーク日本人学校日本人学校コネチカットニューイングランド0762802021-6
ニュージャージー日本人学校日本人学校ニュージャージー大西洋岸中部0332602021-4
ニュージャージー補習授業校補習授業校ニュージャージー大西洋岸中部3119673172021-5
プリンストン補習授業校補習授業校ニュージャージー大西洋岸中部369822222021-6
ニューヨーク補習授業校補習授業校ニューヨーク大西洋岸中部40347103532021-5
ブルックリン補習授業校補習授業校ニューヨーク大西洋岸中部2570952021-6
ロチェスター補習授業校補習授業校ニューヨーク大西洋岸中部022702021-5
慶應義塾ニューヨーク学院 高等部私立在外教育施設ニューヨーク大西洋岸中部00352712021-5
ニューヨーク育英学園 全日制その他ニュージャージー大西洋岸中部6079002020-11
オンライン日本語補習教室その他コネチカットニューイングランド02614802021-1
キッズ国際学園その他ニュージャージー大西洋岸中部13531102021-12
ニューヨーク育英学園サタデースクール NJ校その他ニュージャージー大西洋岸中部209725122021-6
ニューヨーク育英学園サンデースクールその他ニュージャージー大西洋岸中部338002020-11
ニューヨーク育英学園サタデースクール ポートワシントン校その他ニューヨーク大西洋岸中部3812327142021-11
ニューヨーク育英学園サタデースクール マンハッタン校その他ニューヨーク大西洋岸中部301003102010-1
リセ•ケネディ補習教室その他ニューヨーク大西洋岸中部45100992021-6
データ: 月刊 海外子女教育 2022年1月号「ただいま何人!?」在外教育施設在籍者数より。
その他 = 文部科学省の認定校や外務省の援助対象校にはなっていないが、日本語による教育を実施している教育施設
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