継承日本語語保育の備忘録

自分が子供の継承日本語保持のためにやっていたことを忘れないうちに書き留めようと思いました。

  • 備忘録 継承日本語の育児体験 (4-5歳)

    備忘録 継承日本語の育児体験 (4-5歳)
    2-3歳、3-4歳の備忘録に引き続き、今回は、4-5歳で継承日本語教育のためにやっていたことの記録を書いておこうと思います。今回は、それぞれの子供が4-5歳くらいの時(2017年-2018年と2020年-2021年)に、自分が継承日本語保持のためやってきたことを書き留めています。 子供の誕生日と学齢期 小さい時はあまり気にしませんでしたが、子供が何月に生まれたかによって、日本の学齢期(4月始まり)に沿っている日本語の週末学校と、アメリカの学齢期 (9月始まり)に沿っているアメリカの現地校の入学時期が変わります。ニューヨークの現地校の多くは、数え年(お正月を基準にした年齢)で入学年齢を決めるのですが、多くの日本語の週末学校は4月付けの満年齢 (誕生日を基準にした年齢)で入学を決定します。時には、アメリカと日本の学校でほぼ1年間違う学年に在籍するという可能性もあり、これは実際に学校に行き始める上で大事だと感じました。幸い、2人の子供とは、4月以降の春に生まれていたので、学歴の差が出るのは半年ほどなのですが、この現地校と週末学校の差は、今でもややこしいと感じます (例えば、今は上の子は現地校の4年生ですが、週末学校では3年生です。)。子供の誕生日と学校の始まる時期についてはこちらでまとめています。 オープンハウス 日本の学校歴に沿った継承日本語学校ですと、だいたい冬ぐらいから新入学者向けのオープンハウスが始まります。もし子供を週末学校に生かせるようであれば、いろんなオープンハウスに行って学校の様子などを調べてみる必要があります。大体どこのオープンハウスも流れとしては 最初に学校の代表の方が、学校の教育方針などを説明し、その後に質疑応答、そして実際に学校で勉強している様子を見させてもらえるというパターンが多いです。コロナ禍ので、多くの学校がオンラインによるオープンハウスやビデオ録画による学校紹介を作り出したので、学校へのオープンハウスはだいぶ行きやすくなったと感じます。最近は、あまりアップデートしていませんが、時折、継承日本語学校の方からオープンハウスの案内をいただくので、そちらここでシェアするようにしています。 UPKとアフタースクール こことここでも書いていますが、子供のUPKは、ちょっと家から離れたLong Island CityのYMCAにしました。最大の理由は、LIC YMCAで、日本語のアフタースクールを開校してもらえることになったからです。日本語を継承語として話す4-5歳の子供がいる家庭がAstoria/Long Island Cityで4-5家庭いたのですが、その家庭のグループがUPKをやっている学校などに日本語のアフタースクールをやってもらえないかと相談したところ、LIC ...
  • 備忘録 継承日本語の育児体験 (3-4歳)

    備忘録 継承日本語の育児体験 (3-4歳)
    前回の2-3歳の備忘録に引き続き、今回は、3-4歳で継承日本語教育のためにやっていたことの記録を書いておこうと思います。これを書いている時点で、上の子供は9歳、下の子供は6歳です。今回は、それぞれの子供が3-4歳くらいの時(2016年-2017年と2019年-2020年)に、自分が継承日本語保持のためやってきたことを書き留めています。 継承語の保護者ネットワーク 特に意識してやったわけではないですが、3-4歳の時に一番役に立ったと思うのは、日本語を継承語として話す子女を持つ保護者の人たちのネットワークでした。公園などで遊んでいて日本語を話していると、他に日本語を話す環境にある近所の子供たちと友達になったり、デイケアや学校などの説明会などで同じ保護者の人と何度もあったりして知り合いになったケースが多いです。3-4歳くらいの学齢期前の保護者による自主的な継承語グループは多くあると読んだことがあったのですが、このくらいの時期になると子供の学校をどうするのか、どうやって継承日本語教育を続けるのかなどが具体的な課題として感じるようになるので、保護者間のネットワークができやすいのかと思いました。自分達の場合も、ニューヨークがちょうどUPK(3-4歳からの無料全日保育)を開始したところだったのですが、UPKには行かせたいけれども、小さい頃から全日で英語での教育を受けるだけでなく、何か継承日本語保持のためにもしたいという保護者が集まって、いろいろ相談をするようになりました。いろんな場所に見学に行ったり、日本の国際交流基金さんに資金援助の相談したりと、かなり活発に活動していたように思います。結局、地元のYMCAと協力して、YMCAのUPKに付属した日本語アフタースクールを開始してもらうことになり、子供が4-5歳となってUPKに通うようになってからも、3-4歳くらいにできた保護者とのネットワークは続いています。 日本語の本の読み聞かせ いろんな所で日本語による本の読みき書かせが重要だということだったので、3-4歳の時は特に日本語の本の読み聞かせができるように心がけました。最初は、日本のアマゾンから本を購入して郵送してもらうような事をしていたのですが、本の値段と郵送費で非常に予算的に高くなってしまったことと、せっかく購入しても気に入って何度も読む本は限られていたので、途中からは地元の図書館や、通っていたデイケアの図書貸出サービスなどで日本語の本を入手するようになりました。 YouTube channels 日本のテレビなどはできるように見るように心がけていたのですが、3-4歳の時点で(たぶん今も)子供たちが特に好きだったのは、YouTube channelsです。3-4歳で人気があったのは、日本のおもちゃを紹介する「アニメキッズ」や同年代の子供たちがいろんな遊びやおもちゃを紹介するKan & Aki’s CHANNELとかプリンセス姫スイートとかが好きでした。YouTubeチャンネルはここでまとめています。 日本への一時帰国 子供が3歳くらいになると、日本への長距離飛行機も乗りやすくなるので、一時帰国もしやすくなります。一時帰国した際の備忘録をここに書いています。 日系のイベントへの家族での参加 日系の保育施設などに通っていると、そこや、日系人会などが主催する子供向けのイベントの情報も入ってきやすかったです。この時くらいから、積極的に家族で日系のイベントに参加するようにしていました。いつも参加したのは、お正月、こどもの日、運動会、七五三、ストリートフェア、Brooklyn Botanic GardenやDCでの桜祭り、盆踊り、Japan Dayなどです。
  • 備忘録 継承日本語の育児体験 (2-3歳)

    備忘録 継承日本語の育児体験 (2-3歳)
    子供も大きくなりつつあり、これまでやってきたことも、昔の思い出になって大分忘れてきたので、覚えているうちに備忘録をつけておこうと思いました。これを書いている時点で、上の子供は8歳、下の子供は5歳です。ここ2年のコロナによる学校環境の変化にもかかわらず、二人とも日本語も継承語としては十分なレベルで習得し、毎週土曜日に元気に補習校に通学しています。 今回は、それぞれの子供が2-3歳くらいの時(2015年-2016年と2018年-2019年)に、自分が継承日本語保持のためやってきたことを書き留めています。 自宅での保育 vs. デイケア 最近は、NYCでも3歳からの無料保育 (UPK/3K)が始まっていますが、当時(2015年/満2-3歳)は、UPKが始まったばかりだったので、おそらく週五日の保育は2017年くらいまで始まらないと思っていたので、かなり長期的に家庭での保育をどうするかを主軸に考えていました。日本語で日中の保育をしてくれるデイケア(スターチャイルドなど)などの見学にも行きましたが、当時の仕事は毎日オフィスに通う必要がない職種でしたので、最終的に、知り合いの英語話者のナニーさん+自分での家庭保育というオプションにしました。 家庭言語方針 家庭言語方針としては、OPOL (One person, one language)方針を取りました。配偶者は英語話者ですが、日本語も話すので、家族全員でいるときは日本語を使うように努力していましたが、英語だけを話す人が一緒だと、やはり英語になることが多かったような気がします。 日本語に触れられる機会を増やす 当時読んだ継承語の研究で、継承語が英語から遠い言語で、しかも違う言語話者間の結婚だと8割近くの人が継承語を失うという大規模な研究を読みました。お父さんの継承語は、非常に簡単になくなってしまうという研究もあったので、かなり危機感を覚えていたので、できるだけ子供との時間を割いて日本語で保育するように心がけていました。また、ナニーさんが英語だけを話す方で、週五日お願いすると日中が完全に英語環境になるので(あと料金的に高くなるので)、家で仕事ができる日は、仕事をしながら保育するというような感じでした。 日系の教育施設での親子クラス 3歳の誕生日を迎えると、日系の保育施設では入園要件で、満年齢とトイレに行けるという条件を出すところが多かったので、日系の保育施設でのオプションが格段に多くなりました。上記のような日中全部見てくれるという日系教育機関もあったのですが、料金が非常に高かったことと、仕事柄、朝や昼にオフィスに行くよりも、昼過ぎから夕方にかけてオフィスにいる必要があったので、3歳の誕生日後も、これまで通りの保育を続けました。一つだけ変更したのは、毎週、1.5時間ほどの親子での日本語教室というのに通い始めました。「親子の日本語教室」ですが、これは2-3歳の歳の継承日本語の保持に関してはもっとも良い決断だったと思います。良い点をまとめると、 自分達が知らないような、日本語による手遊びや歌、ダンスなどを子供と一緒にできる。週一回だけのクラスでしたが、ここで習ったことは他の日にも家でやることが多かったです。 毎週同様なことを行うので、子供の日本語の発達がよくわかる。「ああ、今日は名前が言えた」とか、「今日は、食べたものも言えた」とかいうことを配偶者とよく話していました。あと、やはり親が話す場合と、公共の場で話す場合とでは、日本語の能力に差がでると感じました。親と話す時は、日本語でなんでも良く分かるし、良く話すと思っていたのですが、先生から質問されたり、みんなの前で日本語で返答したりするところを見ると、日本語の発達でできない点がよくわかり、また、毎週通うことで、できない事ができるようになったというのが実感できました。 他の継承日本語子女の保護者と友達になれた。たまたまなんですが、一緒のクラスにいる子女の保護者の多くの方の配偶者が非日本語話者だったので、いろいろ継承日本語の話をしたり、情報交換できたししてよかったです。 始めた当初は、「親子の日本語教室」は週一回1.5時間程度なんで、あまり効果はないだろうと思ったのですが、これは、子供の2-3歳の日本語の体験でもっとも効果的だったと感じます。 ニューヨーク近郊での日系イベント ニューヨークで日本文化に関するイベントにも積極的に参加するようにしていました。よかったと思うのは、Mitsuwaさんのお正月イベント、Washington DCやBrooklyn Botanic ...