日本語継承語の研究

継承語に関する研究について紹介しています。日本語に特化した研究以外にも、他の言語の研究なども紹介し、総合的に継承語の維持について考えています。他にも、継承語の研究に関する入門書なども紹介しています。

  • アメリカ経済での日本語・英語のバイリンガル能力の必要性

    アメリカ経済での日本語・英語のバイリンガル能力の必要性
    American Council on the Teaching of Foreign Languages (2019). Making Languages Our Business: Addressing Foreign ...
  • 日本語継承語話者の話す日本語の言語学的特徴

    日本語継承語話者の話す日本語の言語学的特徴
    Nishikawa, T. (2019). 継承語の言語的特徴. In Kondo-Brown, Kimi, Sakamoto, Mitsuyo, & Nishikawa, Tomomi (Eds.), 親と子をつなぐ継承語教育: 日本・外国にルーツを持つ子供. ...
  • 日本語継承語話者の日本語能力をどう測定するか

    日本語継承語話者の日本語能力をどう測定するか
    Hasegawa, T. (2008). Measuring the Japanese proficiency of heritage language children. In K. Kondo-Brown ...
  • アメリカの日本語教育(継承語以外の日本語教育も含む)についてのアーティクル

    アメリカの日本語教育(継承語以外の日本語教育も含む)についてのアーティクル
    Kondo-Brown, K. (2014). Japanese in the United States. (23). In T. G. Wiley, J. K. ...
  • 「親と子をつなぐ継承語教育 日本・外国にルーツを持つ子ども」

    「親と子をつなぐ継承語教育 日本・外国にルーツを持つ子ども」
    タイトル:「親と子をつなぐ継承語教育 日本・外国にルーツを持つ子ども」 作者: 近藤ブラウン妃美 / 坂本光代 / 西川朋美[編] 出版社: くろしお出版 出版年: 2019 料金: 3,400 yen URL: https://www.amazon.co.jp/dp/4874248071 / http://www.9640.jp/book_view/?807 「親と子をつなぐ継承語教育 日本・外国にルーツを持つ子ども」という本が、ハワイ大学の近藤ブラウン妃美先生らの編集で2019年の9月に発行されています。海外で日本語を補習授業校などで学習している継承語の子供たちと、日本で日本語以外の言語を家庭言語として話している在留外国人の子女の継承語教育について、それぞれの分野の研究者が執筆した編集本です。四部構成で、最初の章は、言語学的な見地からの継承語についての解説、二章目は、心理、教育学的な見地からの解説、三章目が海外の日本語継承語教育、最後の章が日本国内の日本語以外の継承語教育となっています。 それぞれの分野で研究実績のある人が、その分野について継承語の保護者など専門知識を持たない人向けに簡単に紹介していて、最後の方で研究の紹介(多くの場合は、執筆者自身の研究)を紹介し、さらに詳しくその分野について知りたい人のために推薦書が最後に書いてある形式です。それぞれのチャプターは10ページ程度とかなりコンパクトにまとまっています。 海外(特にニューヨークなど東海岸)の日本語継承語に関して関係がありそうなのは以下の章です。 1章 バイリンガル・マルチリンガルの継承語習得(坂本光代) 2章 継承語習得と認知能力発達(田浦秀幸) 3章 家庭・学校・コミュニティにおける継承語話者の言語選択(坂本光代) 4章 日本語を優勢言語としない子どものバイリテラシー習得・発達(折山香弥) 6章 継承語学習のモチベーション/動機づけ(森美子) 7章 継承日本語とアイデンティティ形成(知念聖美) 8章 米国における学齢期の子どものための継承日本語学習の機会(片岡裕子) 9章 幼児や低学年児童対象の継承日本語教室で使う教材(山本絵美) 10章 北米の日本語学校における学習者のニーズの多様化(リー季里・ドーア根理子) 11章 外国語学習者と継承語学習者の混合日本語クラスでの指導(ダグラス昌子) 13章 海外における継承日本語学習者のための評価(近藤ブラウン妃美) アメリカで日本語継承語教育に関連した内容で取り扱われていたものとしては、「バイリンガル理論」「家庭言語方策」「バイリテラシー」「モチベーション/やる気」「アイデンティティ」「在外教育施設の種類」「『おひさま』などの幼児教育教材」「アメリカの高等教育機関での継承語教育」「継承語クラスでの評価方法について」などがありました。 非常に読みやすく、しかも引用文献などがしっかりまとまっていて、継承語研究に興味がある人にはとても有益な本だと感じました。日本語継承語研究は比較的最近の研究分野なので、それぞれの章で、対象としている読者や継承語に対する定義が異なっているような感じがしました。たとえば、最初の方の章(1-3)は、バイリンガル教育の理論などが主に紹介されており、日本語継承語教育に特化した内容はあまり記載されていません。それ以降の章では、比較的、日本語継承語に特化した内容が紹介されています。中にはかなり詳しく研究紹介されている場合もありますが、ページ数の制約のためか結構簡単な紹介で終わっている章もありました。教育者や研究者の方でしたら、引用文献リストで紹介された研究について探して読むか、各章の最後にある推薦文献を読みたいと思うかもしれません。 あと、それぞれの著者の方の専門性のせいか、時折、異なった内容が書かれてあることもありました(例えば、家庭言語方針で、一人の人が一つだけの言語を話した方が継承語教育子女にとって有益であるかどうかなどは意見が異なるようです)。
  • 北米補習授業校での大規模アンケート調査: 「補習授業校児童生徒の学習状況調査等報告書」

    北米補習授業校での大規模アンケート調査: 「補習授業校児童生徒の学習状況調査等報告書」
    コロナ禍になってしまい、あまり話題になっていませんでしたが、2017年に、海外子女教育振興財団が行っている「在外教育施設の高度グローバル人材育成拠点事業 (AG5)」の一環として、アメリカの補習授業校に通っている子女のアンケート調査が行われ、その結果が、「補習授業校児童生徒の学習状況調査等報告書」として2018年に出版されています。 対象となったのは、在外教育施設の「補習授業校」として認定されている学校(ニューヨークでは、ニューヨーク日本人学校LI校、ニューヨーク日本人学校Westchester校、ブルックリン日本人学校)に通う子女で、調査規模は、全米で49校、3,826名の回答と、かなり大規模の調査になっています。 「補習授業校児童生徒の学習状況調査等報告書」は、AG5のウェブサイト(https://www.ag-5.jp/archive)でダウンロードすることができます。 報告書の最初に、最も特筆すべきデータについて以下のように言及されています。『総数のうち「日本生まれ」(51.9%)と「日本以外で生まれた者」(48.1%)がほぼ拮抗していた…また、「アメリカ以外に居住経験がない」者が61.2%に上り、「一番得意な言語が日本語である」とした者は 55.4%にとどまった。」』。このデータは、全世界の補習授業校が、日本に帰国した際の編入をスムースにするための教育機関としての位置づけとの乖離が大きいことがデータとして出てきたと感じました。補習授業校に通う子女の半数近く、あるいはそれ以上の子女が、長期滞在者、あるいはアメリカに永住予定の子女であろうというデータですので、補習授業校が掲げる目標について、(少なくとも北米地域において)なんらかの変化があると良いと感じました。 報告書では、非常にデータが多く、いろいろ面白いと思う点があるのですが、日本国内で行われた同様なアンケートと差が顕著だった点が、以下のレポートにまとめられています。 海外子女教育振興財団 (2019). 補習授業校の子どもたちの特性: 日本国内の子どもたちの学習・生活状況等との比較から見えてきた姿『補習授業校児童生徒の学習状況調査等報告書』より. AG5だより, xx(xx), 1-3. 補習授業校に通う子女は、日本の子女に比べて、「自分にはよいところがあると思う」と回答する人が多かった。 補習授業校に通う子女は、日本の子女に比べて、「友達の前で自分の考えや意見 を発表するのは得意だ」と回答する人が多かった。 補習授業校に通う子女は、日本の子女に比べて、「学校の決まりを守っている」と回答する人が多かった。(小六のみ) 補習授業校に通う子女は、日本の子女に比べて、「人が困っている時は、進んで助けている」と回答する人が多かった。 補習授業校に通う子女は、日本の子女に比べて、「将来、日本以外の国で仕事がしたい」と回答する人が多かった。 日本の子女は、補習授業校に通う子女に比べて、「今住んでいる地域の行事に参加している」と回答する人が多かった。(小六のみ) 補習授業校に通う子女は、日本の子女に比べて、「「地域社会などでボランティア活動に参加したことがある」と回答する人が多かった。(中三のみ) 日本の子女は、補習授業校に通う子女に比べて、「普段、一日当たりどれくらいの時間、日本語のテレビやDVD、動画サイトなどを見たり、聞いたりしますか」に平均的に長時間回答した。 日本の子女は、補習授業校に通う子女に比べて、「普段、一日当たりどれくらいの 時間、テレビゲームをしますか」に平均的に長時間回答した。
  • ニューヨークで日本語を教えている高校および高等教育期間のリスト

    ニューヨークで日本語を教えている高校および高等教育期間のリスト
    日系子女の継承語教育は、ほとんどが小中学校までで、その後も日本語を学習するには、現地教育機関で日本語を教えている所で日本語のクラスを取る必要があります。 ニューヨーク州で、そのような高校レベル以上の日本語教育機関がどの程度あるのか、国際交流基金の日本語教育機関調査データベース (https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/ | https://jpsurvey.net/jfsearch/)を使って調べてみました。ニューヨーク州で日本語を教えている高校および高等教育期間のリストを作成して以下で公開しています。また、地図になっているものも以下のリンクにあります。 Name of Institution (Normalized) Name of Department Educational Level Address Phone Number Website URL e-mail address Fashion Institute of ...
  • 文部科学省の「在外教育施設の今後の在り方に関する検討会」報告書

    文部科学省の「在外教育施設の今後の在り方に関する検討会」報告書
    2021年の2月から、文部科学省と外務省が「在外教育施設の今後の在り方に関する検討会」というものを設置し、2030年までの在外(海外)での日系子女の教育の方策を取りまとめしました。 この検討会の目標は、以下の三つとのことです。 「在外教育施設未来戦略2030~海外の子供の教育のあるべき姿に向けて~」 本戦略策定の目的: 2030年の海外の子供の教育のあるべき姿を実現するため、 「在外教育施設グローバル人材育成強化戦略」 (平成28年策定)に基づく取組を発展させる ポスト・コロナ時代の在外教育施設の果たすべき役割や施策の方向性を明確化する 海外の子供の教育について国家戦略としての支援方策を具体化する 日本語を継承語話者として話す子女が通うことの多い、週末の補習校などについても、支援の方法などが記載されています。検討会のレポートや参考資料は、文部科学省のウェブサイトで見られるようになっています。
  • ニューヨーク日本人歴史博物館のウェブサイト

    ニューヨーク日本人歴史博物館のウェブサイト
    2020年にニューヨーク日系人会などの代表者により結成されたニューヨーク近郊の日系人の歴史を調査する「ニューヨーク日本歴史評議会」という研究会のウェブサイトができたそうです。1860年代から移民してきた日系人の写真などのデジタル資料などが多くまとめられています。
  • 継承語話者向け教科書「おひさま」著者によるオンライン漢字セミナー

    継承語話者向け教科書「おひさま」著者によるオンライン漢字セミナー
    2018年に刊行された継承語話者向けの「おひさま」の著者の方々による、漢字の教え方に関するオンラインセミナーが行われているそうです。 漢字の教え方講座 2021年 5月15日 (土) 2021年 5月22日 (土) 2021年 5月29日 (土) 日本時間午後8時から 内容: 海外で子供に日本語を教える/教えたい皆さまに、漢字の教え方講座のお知らせです。 漢字は大切!とわかっていても、海外在住の子供にとってその習得は容易ではありませんよね。 昨年夏、大好評をいただいた漢字の教え方セミナーがさらにパワーアップいたしました。本セミナーを受講いただくと、ぐっと漢字に詳しくなることができ、効果的で楽しい漢字の教え方が身につきます。「漢字ってこんなにおもしろいんだ!」「こんな教え方があるんだ!」と目からポロポロ鱗が落ちるはずです。単なる暗記ではなく日本語学習の「その先」につなげるための漢字の勉強法について学んでみませんか。ご予定が合わない方は、録画動画で、また単体受講も可能です。告知チラシ裏面おひさまプロジェクトに関する詳細は、コメント欄に添付しております。(シェア記事でご覧いただいている方は、当おひさまFB公式サイトの元記事コメント欄をご覧くださいませ。)尚、私共の著書、海外に住む子供達の為の日本語教科書「おひさま」は、海外子女教育振興財団の推薦図書にも指定されております。こちらは、現在世界中の日本人学校・補習校・日本語教室で教材としてご使用いただいております。お申し込み・お問い合わせ先:ohisamsa.project.nl@gmail.com