継承語話者に関する総務省のレポート (グローバル人材育成に資する海外子女 帰国子女等教育に関する実態調査)

一般的に出版された発行物ではないのですが、日本語の継承語話者に関する日本政府の取り組みについて非常に詳しく書いてあるレポートですので、紹介したく思いました。 総務省 (2015). グローバル人材育成に資する海外子女 帰国子女等教育に関する実態調査. 総務省 (Ministry of Internal Affairs and Communications of Japan). Retrieved at http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/97809.html 総務省の行政評価局というところが2015年に作成した「グローバル人材育成に資する海外子女 帰国子女等教育に関する実態調査」という調査レポートで、主に、(1) 日本人の海外子女に対する海外での支援と、(2)日本人の海外子女の帰国後の支援についての調査がまとめられています。(1)に関しては、政府が支援する海外での日本人学校及び補習校に関する情報が非常に詳しくかかれています。特に、アメリカ、ドイツ、フランスなどの他の主要国が、それぞれの国の海外子女に行なっている支援を調査して日本と比べている点は非常に興味深いです。 … More

在外日系子女に関するレポートと新聞記事

所用で、海外で長期間滞在する日系人子女について調べる必要があったので、そのまとめです。 まずは、2000年からの海外の日系人子女の動向について書いてある新聞記事が何点かありました。 日本人学校などで学ぶ児童・生徒は7万人以上 (December 3, 2014) https://www.nippon.com/ja/features/h00088/ 2000年から2013年くらいまでの全世界の海外での日系子女の統計や、日本人学校、継承語学校などへの通学状況、帰国時の言語能力についてまとめたもの。中国や他のアジア諸国にいる日系子女の多くは日本人学校に通うのに対して、英語圏(特に北米)の日系子女は現地校やインターナショナルスクールを選択することが多く、日本人学校に通う率が非常に少ないというのが印象深かった。 海外邦人131万人の子供は現地校?日本人学校? (June 18, 2016) https://mainichi.jp/premier/business/articles/20160617/biz/00m/010/004000c 上記と同様に、2000年から2015年くらいまでの海外の日系子女の教育動向をまとめたもの。まとめた人が、中国在住の小学生の子供がいる毎日新聞の特派員で、自分の経験にも基づいた記事になっている。上記の記事と同様に、アジア圏での日系子女の教育事情(ほとんどが日本人学校を希望)と、英語圏での日系子女の教育事情についてまとめられている。2014年時点では、北米地域(アメリカとカナダ)に在住する24,126人の子女のうち、日本人学校に通っているのはわずか435人(1.8%)とのことで、12,890人は、現地校と補習校、 10,801人 (45%)は、現地国のみに通学している。 在外の日系人子女の数として一般的に使用されているのは、外務省の「海外在留邦人数調査統計 (Annual Report of … More

ニューヨークの日本語話者 (2015年時点)

2015年のAmerican Community Surveyのデーターを使う機会があったので、ついでにニューヨークの日本語話者(家庭で日本語を使用しているという人の数)を調べてみました。 ニューヨーク市の5区では、日本語を話す人たちの数は2015年時点で21,469人でした。NY総領事館の推定邦人数がニューヨーク州は52,688人とのことなので、ニューヨーク市以外に住んでいる人や、日本人でも家庭で日本語を話さない環境にある人などを考えるとこのくらいかなぁと感じます。 ニューヨーク市で日本語を家庭で話す人の数が最も多い地域は、ManhattanのMurry Hill, Grammy & Stuyvesant Townで、2,074人が住んでいるそうです。数が多い順に10地域をリストにしてみました。 完全なデーターはここにあります。