1980年から2010年までのアメリカの継承語話者の増減

  • Nagano, T. (2015). Demographics of Adult Heritage Language Speakers in the United States: Differences by Region and Language and their Implications. The Modern Language Journal, 99(4), 771-792.

自分のリサーチですが、1980年から2010年までのアメリカの継承語話者の増減をU.S. Censusデータを使って調べたものです。主なポイントは、以下の通り。

  1. 英語を話すが、家庭で英語以外の言語を話している成人人口(継承語話者)は、1980年から2010年まで10年ごとに26.98%増えていた。これは、平均人口増加率(10年ごと10.88%)を大幅にうわまる。
  2. 北米で英語以外の言語で、最も話者数が多いのはスペイン語と中国語だが、近年ではアラビア語、ヒンディー語、ベトナム語なども増えている。他方で、いわゆる前世代の言語(フランス語、イタリア語、ギリシア語、イディッシュ語など)は急速な減少傾向にある。
  3. 継承語話者の増減は、言語でのばらつき以外にも地域(州レベル)で大きく異なる。カリフォルニア、テキサス、ニューヨーク、フロリダ、ニューメキシコなど移民の多いところは、当然継承語話者は増加しているが、移民の多い地域以外でも急激に継承語話者が増えているところもあれば、急激に減少している州もある。

日本語に関しては、245,420 (1980), 295,689 (1990), 312,001 (2000), 254,039 (2010)で、2010年時点では北米全人口の0.88%が日本語を継承語として話しています。増加率は、2.47%で、平均人口増加率が10.9%ということを考えると、実質は減少傾向にあると考えていいかと思います。

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