Community-Based Heritage Language Schools Conference (Oct 7-8, 2022)

毎年ワシントンDCで行われているCommunity-Based Heritage Language Schools Conference (Oct 7-8, 2022)ですが、今年は、オンラインと対面同時に行われるそうです。 対面での参加は、D.C.のAmerican Universityで行われ、その様子がオンライン参加の人のためにZoomでも公開されるようです。Keynote speakersには、バイリンガル教育で著名な、Ofelia García, Richard Brecht, Jim Cumminsなどが予定されているそうです。オンラインでの登録は$25、対面参加での登録は$75とのことです。

全世界の日本の在外教育施設の在籍学生数 (2022年)

海外教育振興財団(JOES)が発行する「海外子女教育」で数年に一回くらいの頻度で1月号に在外教育施設で学ぶ子女の在籍者数のレポートが掲載されています。今年(2022年)の1月号にも、「ただいま何人!?」という記事で、最新の在外教育施設で学ぶ子女の在籍者数が報告されていました。 海外子女教育振興財団 (2022). 「ただいま何人!?」在外教育施設在籍者数. 海外子女教育, 1, 44-49. https://www.joes.or.jp/cms/joes/pdf/publish/kikanshi2/202201omdt.pdf その記事によると、2022年の情報 (調査時期は2020年-2021年)では、全世界で日本政府が把握している「日本人学校」と「補習授業校」の在籍子女数は44,728人とのことです。また、その他にも、私立在外教育施設と区別される教育機関(「慶應義塾ニューヨーク学院」など)や文部科学省や外務省からの援助を受け取っていないが、日本語による教育を実施している教育施設(「ニューヨーク育英学園」など)に所属している子女が3,950人おり、合計で、48,678人の学生が全世界の在外教育施設で日本語を利用して勉強しています。 このブログポストにもありますが、在外にいるとされる日系子女の総数と比べてみると、この数はかなり低い数になっています。おそらく理由としては、以下のようなものが挙げられると考えられます。 日本政府が把握している在外教育施設に含まれない教育機関(草の根的な小さな週末学校など)で勉強する子女が調査に含まれていない。 現地校のみで、日本語の学習などは家庭で行なっている。あるいは、日本語による学習は全く行っていない。 実際に調査に含まれていない子女がどれくらいいるのか、どのくらいの日系子女が日本語による学校教育をおこなっていないのかは、今のところわかっていません。 他方、わかっている情報を見てみると、いろいろな興味深いパターンが見えてきます。「海外子女教育」の2019年号でも同様な情報が公開されたのですが、その際の合計子女数は59,795人とのことでした。2022年の同じ調査の数が、48,678ということですので、ここ3年で急激に在外教育施設で学ぶ子女の数は減っています。これが、コロナ禍の中で行われた調査であったため、一時的に学生数が減っているのか、長期的な傾向として減っているのかはわかりません。この記事では、最も子女が多かった時期 (2013年前後)では、70,000人近い子女が在外教育施設で学んでいたということですので、もしかしたら長期的な傾向として減少している中で、コロナ禍のために多くの学校が閉鎖や中止に追い込まれている可能性は大いにあると思われます。 2022年のデータを見てみると、学齢期前(幼稚部)が4,285人、小学生が32,991人、中学生が8,995人、高校生が2,407人とのことですので、これまで通り、多くの子女は小学生の年齢で、中学生や高校生のレベルで日本語での教育を続ける子女はごく一部のようです。 地域的には、アジア 14,117人 (29.0%)、北米 … More

国際交流基金による日本語デジタルライブラリー

アメリカの国際交流基金が日本の書籍のデジタルライブラリーの提供を開始するとのことです。カナダのトロントにある国際交流基金では、かなり以前から同様なサービスが開始されているそうで、そちらで提供されている書籍はhttps://jf.overdrive.comで見られるようになっています。 アメリカでの日本語デジタルライブラリーサービスが、カナダのものと同様な蔵書になるかはわからないのですが、カナダでのサービスを見ると「鬼滅の刃」やSpyxFamilyなどの英語版の漫画ebookや、日本語学習書籍 (交流基金の「まるごと」シリーズ、「げんき」、その他の日本語学習の参考文献など)、文庫本など、とても豊富な蔵書になっています。 2022年6月2日(木)現在、アメリカでの日本語デジタルライブラリーサービスのアカウントを希望する方の情報を以下のリンクで集めているとのことですので、興味がある方は以下のリンクを参照ください。 —————————— In collaboration with our New York and Toronto offices, The Japan Foundation Los Angeles is … More

HLXChange.com: 継承語教育 (日本語を含む言語全般の)サポートページ

UCLAのNational Heritage Language Resource Center (NHLRC)のダイレクターをやっておられるCal State Long BeachのMaria Carreira先生やその同僚の方が、継承語教育(言語を問わず、全ての言語の継承語教育)のサポートをするためにHLXChange.com (https://www.hlxchange.com)というウェブサイトを公開されたそうです。 まだ色々開発中のようですが、すでにいくつかの継承語教育に関するリソースが紹介されています。このページでは、いくつかの短いYouTube videosでJames Lang/Flower DarbyによるSmall Teachingという手法が紹介されています。

International Guidelines for Professional Practices in Community-Based Heritage Language Schools

Coalition of Community-Based Heritage Language SchoolsというUCLAにある継承語教育の研究団体が、全世界のコミュニティーベース学校(正規の学校ではなく、保護者やコミュニティー主体で始まる継承語の保持を目標とした週末やアフタースクールの学校)を調査し、(1) 継承語学校に当てはまる共通の教育原理とは何か、また、(2)継承語学校が指針として参考にできる質の高い教育とは何かを定義したガイドラインが作成されました。 Aberdeen, T., Cannizzaro, G., Douglas, M. O., Emilsson Peskova, R., Lu, T., Ludanyi, … More

Community-Based Heritage Language Schools Conference (Oct 8-9, 2021)

毎年ワシントンDCで行われているCommunity-Based Heritage Language Schools Conference (Oct 8-9, 2021)ですが、今年もオンラインで行われ、その際の発表の一部の録画が一般に公開されています。 いろいろな発表があるのですが、特に良いと思ったのは、継承語教育をサポートしている全米の団体の短い紹介ビデオがありました。継承語教育の運営者や保護者の方にはあまり直接知る機会がない団体ですが、さまざまなサポートをしているようなので、みても良いかと思います。紹介されていた団体は、以下の団体です。 ACTFL, America’s Languages Initiative, Center for Applied Linguistics (CAL), Joint National … More

海外の日本語教育の現状 2018年度日本語教育機関調査

もう去年の話で少し出遅れているのですが、国際交流基金 (The Japan Foundation)が3年ごとにやっている全世界での日本語教育機関の調査アンケートの2018年の調査結果がレポートとして発表されました。 The Japan Foundation. (2020). 海外の日本語教育の現状 2018年度日本語教育機関調査より (Survey Report on Japanese-Language Education Abroad 2018). Tokyo, Japan: The … More

「おひさま」プロジェクト

継承語話者向けの教科書「おひさま」の著者の方々(山本絵美・上野淳子・米良好恵)が2021年から教科書だけでなく、「おひさま」プロジェクトとして、定期的な公演、ワークショップなどの活動を行っているそうです。日本語を継承語として話す子供たちに関する教育情報や、おすすめの本などがウェブサイトで見られるようになっています。 月1,500円で会員登録もでき、子供の年齢に合わせた教材の配布や、各種講演会情報、教育情報を掘り下げたコラムなどを配布してくれるそうです。 現在、ウェブサイトと「おひさま」のYouTube channelでは、無料で講演会の様子が見られるようになっています。

継承日本語話者の話す日本語の言語学的特徴

Nishikawa, T. (2019). 継承語の言語的特徴. In Kondo-Brown, Kimi, Sakamoto, Mitsuyo, & Nishikawa, Tomomi (Eds.), 親と子をつなぐ継承語教育: 日本・外国にルーツを持つ子供. (pp.126-127). Tokyo, Japan: くろしお出版. 「親と子をつなぐ継承語教育」の2ページのコラム論文ですが、継承語として話される日本語の言語的特徴がうまくまとまっています。最初に、継承語言語学の研究で知られるMontrul … More

「親と子をつなぐ継承語教育 日本・外国にルーツを持つ子ども」

タイトル:「親と子をつなぐ継承語教育 日本・外国にルーツを持つ子ども」 作者: 近藤ブラウン妃美 / 坂本光代 / 西川朋美[編] 出版社: くろしお出版 出版年: 2019 料金: 3,400 yen URL: https://www.amazon.co.jp/dp/4874248071 / http://www.9640.jp/book_view/?807 「親と子をつなぐ継承語教育 日本・外国にルーツを持つ子ども」という本が、ハワイ大学の近藤ブラウン妃美先生らの編集で2019年の9月に発行されています。海外で日本語を補習授業校などで学習している継承語の子供たちと、日本で日本語以外の言語を家庭言語として話している在留外国人の子女の継承語教育について、それぞれの分野の研究者が執筆した編集本です。四部構成で、最初の章は、言語学的な見地からの継承語についての解説、二章目は、心理、教育学的な見地からの解説、三章目が海外の継承日本語教育、最後の章が日本国内の日本語以外の継承語教育となっています。 それぞれの分野で研究実績のある人が、その分野について継承語の保護者など専門知識を持たない人向けに簡単に紹介していて、最後の方で研究の紹介(多くの場合は、執筆者自身の研究)を紹介し、さらに詳しくその分野について知りたい人のために推薦書が最後に書いてある形式です。それぞれのチャプターは10ページ程度とかなりコンパクトにまとまっています。 … More

北米補習授業校での大規模アンケート調査: 「補習授業校児童生徒の学習状況調査等報告書」

コロナ禍になってしまい、あまり話題になっていませんでしたが、2017年に、海外子女教育振興財団が行っている「在外教育施設の高度グローバル人材育成拠点事業 (AG5)」の一環として、アメリカの補習授業校に通っている子女のアンケート調査が行われ、その結果が、「補習授業校児童生徒の学習状況調査等報告書」として2018年に出版されています。

ニューヨークで日本語を教えている高校および高等教育期間のリスト

日系子女の継承語教育は、ほとんどが小中学校までで、その後も日本語を学習するには、現地教育機関で日本語を教えている所で日本語のクラスを取る必要があります。 ニューヨーク州で、そのような高校レベル以上の日本語教育機関がどの程度あるのか、国際交流基金の日本語教育機関調査データベース (https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/ | https://jpsurvey.net/jfsearch/)を使って調べてみました。ニューヨーク州で日本語を教えている高校および高等教育期間のリストを作成して以下で公開しています。また、地図になっているものも以下のリンクにあります。 Name of Institution (Normalized) Name of Department Educational Level Address Phone Number Website URL e-mail … More

文部科学省の「在外教育施設の今後の在り方に関する検討会」報告書

2021年の2月から、文部科学省と外務省が「在外教育施設の今後の在り方に関する検討会」というものを設置し、2030年までの在外(海外)での日系子女の教育の方策を取りまとめしました。 この検討会の目標は、以下の三つとのことです。 「在外教育施設未来戦略2030~海外の子供の教育のあるべき姿に向けて~」 本戦略策定の目的: 2030年の海外の子供の教育のあるべき姿を実現するため、 「在外教育施設グローバル人材育成強化戦略」 (平成28年策定)に基づく取組を発展させる ポスト・コロナ時代の在外教育施設の果たすべき役割や施策の方向性を明確化する 海外の子供の教育について国家戦略としての支援方策を具体化する 日本語を継承語話者として話す子女が通うことの多い、週末の補習校などについても、支援の方法などが記載されています。検討会のレポートや参考資料は、文部科学省のウェブサイトで見られるようになっています。

ニューヨーク日本人歴史博物館のウェブサイト

2020年にニューヨーク日系人会などの代表者により結成されたニューヨーク近郊の日系人の歴史を調査する「ニューヨーク日本歴史評議会」という研究会のウェブサイトができたそうです。1860年代から移民してきた日系人の写真などのデジタル資料などが多くまとめられています。

継承語話者向け教科書「おひさま」著者によるオンライン漢字セミナー

2018年に刊行された継承語話者向けの「おひさま」の著者の方々による、漢字の教え方に関するオンラインセミナーが行われているそうです。 漢字の教え方講座 2021年 5月15日 (土) 2021年 5月22日 (土) 2021年 5月29日 (土) 日本時間午後8時から 内容: 海外で子供に日本語を教える/教えたい皆さまに、漢字の教え方講座のお知らせです。 漢字は大切!とわかっていても、海外在住の子供にとってその習得は容易ではありませんよね。 昨年夏、大好評をいただいた漢字の教え方セミナーがさらにパワーアップいたしました。本セミナーを受講いただくと、ぐっと漢字に詳しくなることができ、効果的で楽しい漢字の教え方が身につきます。「漢字ってこんなにおもしろいんだ!」「こんな教え方があるんだ!」と目からポロポロ鱗が落ちるはずです。単なる暗記ではなく日本語学習の「その先」につなげるための漢字の勉強法について学んでみませんか。ご予定が合わない方は、録画動画で、また単体受講も可能です。告知チラシ裏面おひさまプロジェクトに関する詳細は、コメント欄に添付しております。(シェア記事でご覧いただいている方は、当おひさまFB公式サイトの元記事コメント欄をご覧くださいませ。)尚、私共の著書、海外に住む子供達の為の日本語教科書「おひさま」は、海外子女教育振興財団の推薦図書にも指定されております。こちらは、現在世界中の日本人学校・補習校・日本語教室で教材としてご使用いただいております。お申し込み・お問い合わせ先:ohisamsa.project.nl@gmail.com

Okage Sama De @ Japanese Cultural Center of Hawai’i (JCCH)

ハワイは、アメリカの中で日系人コミュニティーが最も早くにできた地域で、日系人の数も、他のアメリカの地域と比べて非常に多い州です。そのハワイに、the Japanese Cultural Center of Hawai‘i (https://www.jcch.com)という日本文化センターがあるのですが、そこで、”Okage Sama De: I am what I am because of you”というプロジェクトがあり、そこには、150年前にアメリカに来た最初の日系人が大切にしたとされる日本の価値観が12個の言葉として残されているとのことでした。 その12個の言葉は、以下のようなものです。150年前に日本から移民してきた人たちが、アメリカの文化の中で根付いていく際に、子供たちに継承してほしいと思う日本の価値観が非常によく現れれていると思います。 孝行 “kokō” … More

「国際結婚を考える会」 (JAIF & AMF)

「国際結婚ハンドブック」など日本人が国際結婚をする際に非常に重宝する情報を作成している「国際結婚を考える会」ですが、最近は、日本の国籍問題についての活動を積極的に行なっているようです。こちらでも紹介している「国籍はく奪条項違憲訴訟」に関する情報や、専門家による勉強会、署名運動などを行なっていました。 つい最近まで知らなかったのですが、「国際結婚を考える会」という会は、2020年に以下の二つの別々の会に分かれているとのことです。 国際結婚を考える会 (Japan Association of Intercultural Families​ / JAIF) 旧国際結婚を考える会 (Association for Multi-Cultural Families / AMF) 分離の詳細はよくわからないのですが、どちらの団体も、国際結婚に関する重要な情報(国籍法、国際結婚に関する法律、国際結婚子女の教育、言語の問題など)について活動されているようです。 基本的にはどちらの会も、有料の会員になる必要があるので、一般に公開されている情報や勉強会はあまり多くはないようですが、それぞれの団体のウェブサイトに行くと、ある程度の基本情報については無料でウェブ上で公開されていました。

DiscoverNikkei / ディスカバーニッケイのサイト

カリフォルニアにある全米日系人博物館の関係者が運営しているDiscoverNikkei / ディスカバーニッケイの紹介です。 アメリカの日系人に関するインタビューや、記事などが非常に多くあります。オンラインジャーナルの記事の中には、太鼓の歴史や、第二次対戦中の日系人のインタビューなどのトピックや、新日系人の日本に帰る時期や、「絆」に関する記事など、様々な状況にある日系アメリカ人のトピックが語られていました。 最近では、”Nikkei”と”nakama”を混ぜ合わせたニマ会というものを始めているとのことで、日系のいろんな人たちとのオンライン交流をしている会がYouTube上で公開されています。

アメリカの日系人の人口統計 (1870年から2014年まで)

ニューヨークの継承日本語学校の歴史について調べているのですが、そのリサーチの一環として、1870年から2014年までのアメリカの日系移民の数をU.S. Censusのデータを利用して調べたので、ここで備忘録として書いておこうと思います。 1870年には、おそらく、ジョン万次郎やジョセフヒコなど漂流などでアメリカに入国した日本人や、明治維新後に設立された在アメリカ合衆国日本国大使館などの関係者、岩倉使節団での留学生と思われる人たち55名しかいなかった日系アメリカ人ですが、2014年には78万人近くになりました (正確には、ACSの推定値で、779,141名)。

1900年-1940年のニューヨーク日系新聞(日米週報(時報) / 紐育新報)のアーカイブ

ニューヨークの日本語学校の歴史について調べていたら、とても面白いデータベースを発見しました。スタンフォード大学のHoover Institution Library & Archivesが主催するthe Japanese Diaspora Initiative (JDI)というプロジェクトで、1900年代から1940年代までのニューヨーク日系新聞 (日米週報(時報) / 紐育新報)が全て閲覧できるようになっています。 閲覧できるニューヨーク日系新聞は、以下の2種類です。 「紐育新報」は1911年に発刊、1941年まで発行されたニューヨークの日系新聞。JDIプロジェクトへのリンクは、以下の通り。 「日米週報 (時報)」は、1900年から1941年まで発行されたニューヨークの日系新聞。JDIプロジェクトへのリンクは、以下の通り。 いくつかの新聞を見てみたのですが、内容もさることながら、広告欄をみていると、当時のニューヨークの生活の様子が想像できてとても面白かったです。

PBSのドキュメンタリーAsian Americansの無料公開

おそらく旧正月のためだと思うのですが、PBSが作ったドキュメンタリーのAsian Americansがオンラインで無料公開されています。第二次世界大戦中の日系人強制収容所、中国人排斥法、ベトナム戦争の戦争難民、アジアからのプランテーション労働者移民など、アメリカの歴史の中に深く根付いているにもかかわらず注目がされないアジア系アメリカ人の歴史について、非常に詳しく、画像や動画などを使って解説しています。 5時間近くのドキュメンタリー全部が見られるようになっているのですが、その他にも、テーマ別に、5-10分程度の短いエピソードがあり、それに付随した授業でのレッスンプランや、その他のリソースなどもダウンロードできるようになっています。

フレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Day (January 30)

フレッド是松氏は、日系アメリカ人としてアメリカで第二次世界大戦を経験しましたが、その際に、日系人に強制収容所への移動を命じた「大統領令9066号」 (Executive Order 9066 (a.k.a., Japanese Internment order))に反対し続けました。 日系アメリカ人をスパイと敵視するアメリカ人、また、収容所でアメリカ政府の意向通りに大人しく収容されていた方がよいと考える日系コミュニティーから敵視され続けましたが、戦後も「大統領令9066号」に関する違法性を訴え続け、1998年には、最高位の勲章である大統領自由勲章を受章しました。 カリフォルニア、ニューヨークなどでは、フレッド是松氏の誕生日 (1月30日)をフレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Dayとして、アメリカ憲法で保証された市民の自由の重要性を再確認する日としています。 2021年のフレッド・コレマツの日 / Fred T. … More

BMCN「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)

バイリンガル・マルチリンガル子どもネット(BMCN)主催で、最近日本で制定された「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)が執り行われるそうです。以下、案内メールの一部をコピーしています。詳細は、BMCNのウェブサイト(https://www.bmcn-net.com/forum)を参照ください。

日本財団の「グローバル若手日系人意識調査」のレポートと報告YouTubeビデオ

日本財団が、2019年から行っていた全世界の継承日本語話者(日系人及びそのの子孫)の大規模調査の結果が、「グローバル若手日系人調査概要レポート」として発表されました。オンラインアンケート (約3800名)とフォーカルグループディスカッション (12都市グループ)という、これまでにない規模での世界的な調査で、生まれ育っている国や環境に関わらず、若い継承日本語話者が共有する意識についての発見や議論が多くされてします。 レポートは、日本語版(10ページ程度の概要レポート)と英語版 (400ページの完全レポート)があり、英語版の方には、ここの質問に関するデータも載っています。レポートは、日本財団のホームページ (https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2020/20200831-48496.html)からダウンロードできます。あと、調査レポートを記者発表したそうで、その際のビデオがYouTubeに載っています。 主な調査結果は、以下のような感じですが、これだけではあまりピンとこないので、日本語版の概要レポートか、YouTubeでの結果発表ビデオを見ると、いろいろ面白いことが話されていたりするので、是非、どちらかを見られるのをお勧めします。 若手日系人 (18歳から35歳の海外に移住した日本人及びその子孫)は日系アイデンティティーを確立しており、日系人としての意識を強く持っている。 若手日系人は他国の日系人とのつながりを求めている。 若手日系人は日本に強いつながりを感じている。 [Thursday, February 18, 2021追記] DiscoverNikkei主催で、この調査を実際に行ったDr. Curtiss Takada Rooks and … More

継承日本語話者に関するYouTubeビデオシリーズ (UCLAの林あさこ先生)

UCLAの林あさこ先生が、継承日本語話者の教育に関わる先生方や保護者の方向けのアクティビティ集をYouTubeで公開されています(https://www.youtube.com/playlist?list=PL_3NI26j3oIoK_BI32A4WU-MyBsFEbscd)。日本語を母語とする国語教育との違いなどが詳しく解説されてあり、継承語話者向けの色々なアイデアが紹介されています。継承語教育にこれから携わる保護者や先生におすすめです。

兄弟姉妹間の継承語の使用率、保有率の差についての研究

Shin, S. J. (2002). Birth Order and the Language Experience of Bilingual Children. TESOL Quarterly, 36(1), 103-113. 家庭内で2人以上の兄弟がいる場合に、どの程度、継承語の保持に差が出るかを調査した研究です。研究対象は、韓国系アメリカ人で4-18歳までの2人以上の兄弟がいる家庭204名で、調査方法はアンケート調査を行なった結果を報告しています。対象言語が韓国語の一つだけで、200名程度のアンケート調査なので、それほど一般化できるものではないかもしれませんが、報告されたデーターは、継承語を話す家庭ではよく見られる事例だと思います。 何点かの報告があるのですが、主な議論としては、以下のような感じのことが報告されています。 78.8%の第一子が、学齢期に達するまでは韓国語 … More

日本語、中国語、韓国語の継承語教育についての編集本

アメリカの言語学者の間では、CJKとまとめられて話されることが多い日本語、中国語、韓国語の継承語教育に関する編集本です。編集者は、継承日本語で著書が多い近藤ブラウン先生と、言語評価などが専門のJD Brown先生で、内容的には研究者向けの論文が多いと感じでした。継承日本語教育の研究は、韓国語や中国語など、継承語話者が多い言語に比べると非常に数が少ないので(特に英語で書かれたものは本当に少ないので)、貴重な論文集だと感じます。 Kimi Kondo-Brown and James Dean Brown. (2008). Teaching Chinese, Japanese, and Korean Heritage Language Students: Curriculum Needs, Materials, … More

Community-Based Heritage Language Schools Conference (Oct 9-10, 2020)

毎年、様々な言語の継承語教育者や研究者が集まるCommunity-Based Heritage Language Schoolsというconferenceが10月にあるのですが、今年は、全てオンラインで行うそうです。とても面白いconferenceなんですが、場所がWashington D.C.で渡航費がネックになっていました。以前からすでに、オンラインでの参加も可能になっていたのですが、今年は完全にオンライン化したとのことです。参加費も$20と非常にリーズナブルに設定されていています。日本語の継承語に関する発表もありますが、それだけでなく、他の言語の継承語教育者が、どのように継承語学校を運営してきたかなどのアイデアなどが聞けたりと非常に新鮮なアイデアがもらえます。 2019年の情報がhttps://japanese-schools-newyork.com/?p=1594に、2017年と2018年の参加レポートがAATJのページ (こことここ)にあります。 Community-Based Heritage Language Schools: Promoting Collaboration and Advocacy Among Educators, Families, and Researchers … More

AG5プロジェクトのウェブサイト

文部科学省の事業「在外教育施設の高度グローバル人材育成拠点事業」で、高度な(Advanced)グローバル人材(Global human resources)の育成を目的としたAG-5 (https://ag-5.jp)というプロジェクトのウェブサイトの紹介です。 全世界の日本人学校と補習校の支援を目標に、7つのテーマに沿って、先生や研究者の共同研究などをすすめるというプロジェクトで、AG-5とあるのですが、なぜか実際に扱うテーマは以下の7つになっています。 研究テーマ 1.日本人学校における高度グローバル人材の基礎的資質形成のためのプログラム開発 研究テーマ 2.日本人学校における総合学習型日本語力向上プログラムの開発 研究テーマ 3.日本人学校における教員(学校採用教員)の指導力向上のためのプログラム開発 研究テーマ 4.補習授業校における日本語能力向上のための総合的なプログラム開発 研究テーマ 5.日本文化発信の拠点形成プログラム開発 研究テーマ 6.ICTを活用した遠隔での教育の質向上のためのプログラム開発 研究テーマ 7.特別支援教育に関する遠隔指導実施に向けた実践的研究 どちらかと言うと、継承日本語の教育者、研究者向けのウェブサイトですが、非常に多くの研究資料や、教材などのアイデアがあります。基本的には文部科学省のこれまでの指針と同じく、日本帰国予定者向けの補習校への援助と謳っていますが、資料内容とかをみると、どこも補習校は永住者や長期滞在者向け子女の教材開発などがトピックに上がっていました。

「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の閣議決定

ここや、ここでも紹介しましたが、日本での(非日本語母語話者に対する)日本語教育の制度化が進んでいます。 2019年6月には、「日本語教育の推進に関する法律」が公布、施行されましたが、それに続き、向こう5年間の取り組みを決めた「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」が2020年6月23日に閣議決定されたそうです。方針のコピーはhttps://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/other/suishin_houritsu/pdf/92327601_02.pdfで見られます。 これらの法律の成立過程については、「にほんごぷらっと」の以下の記事が詳しいです。 あと、「日本語教育の推進に関する法律」、「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」は、文化庁のこのページに掲載されています。 これらの法案は、主に日本国内で日本語を母語としない人たちへの日本語教育に関する施策なのですが、海外での継承日本語話者に関する項目も含まれています。これらの法律、方策では、「継承日本語」という言葉は使われず、「海外に在留する邦人の子等」への日本語教育という表記になっており、「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」では、pp.12-13に記載があります。向こう5年間でどういう施策を行うのかという具体例がいくつか書かれているのですが、まとめると以下のような感じです。 国際交流基金を通じて、継承日本語の教育形態や課題などについての実態把握を行う。また、「現地の日本語教育を行う機関」等と連携しつつ必要な支援を実施する。 教科書の無償給与、教師の派遣、校舎借料などを「在外教育施設」に行う。 中南米地域などには、JICAを通じた支援を行う。 上記の2点目や3点目に関しては、これまでも行われてきたことが書かれているように感じるのですが、国際交流基金の記述に関しては、国際交流基金は、日本語を外国語と学ぶ人への支援をするとということが多かったのですが、「現地の日本語教育を行う機関」で日本語を外国語として学習する学生だけでなく、日本語を継承語として学習する人たちへの支援も行うということで、継承日本語教育に関して少し進展があったように感じます。

「日本語教育の推進に関する法律」関するフォーラム @ Boston

先日、日本で制定された「日本語教育の推進に関する法律」がどのように海外での継承日本語話者の教育に影響があるのかを議論するフォーラムが、AATJ (全米日本語教育学会)のJapanese as a Heritage Languageの部会主宰で2020年3月18日(水)にボストンで開催されるそうです。詳細は、以下の通りです。参加無料ですが登録が必要で、定員が45名となっていますので、早めに登録ください。 ———————————- 海外における継承日本語教育の充実に向けて ———————————- 日程: 2020年 3月18日(水) 時間: 7:30pm-9:30pm 場所: Public Garden room (5th floor) … More

MiiPro Corpus: 日本語母語話者の言語発達サンプル (1歳から5歳)

継承日本語話者の子女を育てていると、自分の子供の日本語能力が、日本語を母語として獲得している子供たちと比べてどの程度の発達レベルなのかと気になることがあります。日本に頻繁に一時帰国している場合などは、他の家庭の子女との交流などから、自分の子供の継承日本語のレベルなどがわかるのかもしれませんが、そんなに頻繁に一時帰国できるものでもないですし、なかなか自分の子供の日本語のレベルが、日本語母語話者と比べてどの程度の遅れがあるのかはわかりづかいものです。 で、そういった際に使いやすいのが、CHILDESという言語習得研究者用のデーターベースです。もともとは、Carnegie Mellon UniversityのBrian MacWhinney氏が、自分の子供の言語発達を1970年代に音声録音したものを書き起こし(テキスト化)し、研究用に公開したのが始まりなのですが、そこから世界中の研究者が同様なデータベースを共有し始めて、英語だけでなく、いろいろな言語を母語とする子供たちの言語発達データベースになりました。 第一言語習得の研究者の中では必須のデータベースですが、一般に無料で公開されています。日本語では、愛知淑徳大学の宮田Susanne先生が率先して日本語のCHILDESデータベースを構築されています (ワークショップの資料などがこのページで公開されています)。 その宮田Susanne先生が編纂したCHILDESデータベースで、MiiPro Corpusというものがあります。1歳から5歳の、日本語を母語とする子供の音声記録をオンラインで聞くことができます。 Go to https://childes.talkbank.org/access/Japanese/MiiPro.html Click on “Browsable transcripts” Click on child’s name … More

U.S. Frontlineのバイリンガル教育に関する記事

U.S. Frontlineの2019年10月号に、「押さえておきたいバイリンガル教育のカギ」 (https://usfl.com/2019/09/post/125387) という特集が組まれていました。日本語バイリンガル教育に従事している方々が、それぞれの分野において日本語と英語のバイリンガル教育に関する注意点を書かれたものです。どちらかというと、アメリカ長期滞在者(永住組)向けに書かれたもののようですが、最後の方には、日本に帰国した際の学校選びについても書かれてあり、どのようなバックグラウンドでのバイリンガル教育を考えているのかとか、場所的にもU.S. Frontlineさんが全国紙のためか、いろいろな場所を考慮したという感じの内容です。それぞれの個々の事情に対した情報というよりも、全般的な導入的な情報という感じですので、いまから子供さんをバイリンガルに育てていくという家庭の方にはオススメです。

Community-Based Heritage Language Schools Conference (Sat, Oct 12, 2019)

毎年、Washington D.C.のAmerican Universityで行われている継承語教育に関するCommunity-Based Heritage Language Schools Conference (https://www.american.edu/soe/iie/heritage-language-conference.cfm)という学会がSaturday, October 12, 2019に開催されます。 日本語を含む、様々な言語の継承語学校の関係者(教員や運営者など)が集まる珍しい学会です。個人による発表がなく、どちらかというとワークショップに近い感じがしますが、それぞれの継承語学校がどのような環境で、どのような教育を行っているのかという情報交換ができるとてもよい集まりです。特に、アメリカの継承語教育に関わる全米組織の役員の人たちが来るので、それぞれの組織が継承語教育に対してどのようなサポートをしているのかというのがわかります。2019年に参加する団体は、以下の通りです。 Center for Applied Linguistics (CAL) National Heritage Language … More