日本の小学校への夏の体験入学 2023年 (その1: 手続き)

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2020年にCOVID-19の為キャンセルしなければならなかった日本の小学校での夏の体験入学 (https://japanese-schools-newyork.com/?p=1822) を2023年の夏にする計画をしています。まだ手続きをしている状況なのですが、手続きで必要だったことなどを書いておこうと思います。

2020年の際の手続きと比べて感じたのは、全体的に手続きがスムースにいっていると感じます。いろいろ理由を考えたのですが、COVID-19の為に、多くの学校既存の手続きなどが大幅に改正されて、新しいことがしやすくなったというのがあると思います。日本の市役所や学校は、良くも悪くも前例にとらわれることが多く、前例がないことはしにくかったのですが、COVID-19の中で前例にとらわれない手続きのやり方などが確立されてきたのかと感じました。あと、もう一つの理由は、これは直接的な影響は少ないと思うのですが、「在外教育施設における教育の振興に関する法律」が2022年に施行され、同法の「基本的な方針」が2023年に発表されたのがあるのかもしれません。これらの新しい法律で、在外にいる日本邦人の子女の教育が国の責任として明示されたので、海外にいる子女の教育に関しても日本の子女と同様に教育への法律的な義務が明確にされました。ただ、同法の主な対象は、海外で一時的に日本の教育を受ける状況にある邦人子女で、夏の一時体験などは対象となっていないので、あるとしても間接的な影響だと思います。

以下、手続きに関してのいくつかのポイントを書いています。

学校選びの調査

日本に実家がある方などは、学校選びなどはしなくても良いかと思うのですが、実家がなかったり、実家に泊まるスペースがない場合は、学校探しから体験入学のステップが始まります。学校探しには、https://www.gaccom.jpが、学校の施設、採用している教科書、口コミのレビューなどがあり、とても参考になります。特に大事なのは、終業式などのスケジュールで、日本の学校は大体7月下旬まで二学期があるところが多いのですが、中には早めに終業式がある学校もあるので、要注意です。

自分の場合は、実家はすでに引き払っていたのですが、実家付近の友人宅にお邪魔することになったので、学校は自分が通っていた母校の小学校になりました。

役所と学校での手続き

夏の一時帰国の際の体験入学に関するウェブサイトや体験談がいろんなところにありましたが、どこでも役所や学校での手続きは、地域や担当者によってまちまちであるとのことがよく書いてありました。実際、自分が2020年に問い合わせした時と、今回、問い合わせしたときでは役所や学校での対応も(同じ役所と学校なんですが)かなり異なっていたので、これは正しいのだと思います。自分の場合は、上記の通り、全般的に夏の一時帰国の受け入れはかなりスムースに手続きが進んだ感じがしましたので、これはありがたかったです。理由はわからないのですが、おそらくコロナの際に日本全体で、前例主義的な組織運営から、現場の対応などを重視した運営に少し変化があったのではないかと感じました。

役所(小学校の学務に関する部署)での手続きでは、住民票を戻して小学校に正式に転入する方法と、住民票を戻さずに一時体験をする方法の2種類の方法のオプションがありました。国民健康保険に加入したり、マイナンバーを取得するために住民票を戻すのであれば短期でも住民票を戻してもいいのかもしれませんが、自分の場合は、体験入学が2週間程度と短いので、住民票を戻さない一時体験の方法を選びました。どこかで、住民票を戻して正式に転入すると、小学校の受け入れ先での手続きや負担が増えるということをどこかで読んだのも理由の一つです。これは実際に日本で手続きをしてみて、どっちの方が良かったのか、後ほど書いてみようかと思います。

コミュニケーション方法

学校によるのかもしれませんが、自分の地元の学校では、ほとんどの学校がメールアドレスを公開せず、電話番号とfaxだけが公開されていました。2020年の時も同様な感じだったのですが、外部からの問い合わせに関しては、いまだに電話などが主流なのかもしれません。他方、ウェブサイトに載っている資料などは、2020年と比べるとかなり多くの資料が公開されていて、これは非常にありがたかったです。まだ色々問い合わせなどの連絡をしている過程なのですが、これまでで使えるサービスなどは以下のようなものです。

  • Dropbox Fax/HelloFax (https://app.hellofax.com/): HelloFaxというオンラインでFaxを送るサービスがあったのですが、この会社がDropboxに買収されて、Dropbox Faxという会社になりました。HelloFaxはインターフェースがいまいち使いづらかったのですが、Dropbox Faxは、かなりわかりやすいインターフェースで、使いやすくなっていました。無料でアカウントを作成できて、アメリカ国内のFaxは無料ですが、日本へのFax送信は、一枚あたり$0.99かかるそうです。
  • Skype Number (IP phone; https://www.skype.com/en/features/online-number/): Skype numberは、日本のIP電話番号 (050で始まる電話番号)を入手できるサービスです。他にも色々なIP電話サービスがあるのですが(中には無料で番号を入手できるというものもあるようですが)、IP電話はそれ自体がすでに少し信頼性が欠けるサービスなんで、大手のSkypeを利用することにしました。Skype Numberでは、年間$50程度で日本のIP電話番号を入手できます。国内からIP電話番号にかかられた電話は、アメリカのSkypeをインストールした媒体(スマートフォンなど)で受けることができるので、アメリカにいる間に日本の人から電話連絡を受けるにはとても役に立つサービスです。また、IP電話番号から日本に通話すると、国際電話よりも非常に安価に日本に電話することができます。

必要な書類など

こちらもまだ完全に手続きが終わっていないので、抜け落ちているものもあるかもしれませんが、以下のような書類を準備する必要がありました。

  • 日本のパスポートのコピー: 日本の国籍がある子女の受け入れと、そうでない子女の受け入れでは、できること、あるいは、日本の役所や学校がやらなければならないことの差がでてきます。日本国籍のある子女の場合は、先方からの依頼がなくても、日本の国籍があることを証明する書類(通常はパスポートのコピー)を提出するようにした方が良いです。もしパスポートなどを提出しない場合は、子供の生年月日などが証明できる書類を提出する必要が出てくるかもしれません。
  • 日本での住所を証明する書類: 住所によって学区がきまるので、なんらかの形で日本での住所を証明しないといけません。住民票を戻す場合は問題ないですが、賃貸物件やホテル等に滞在する場合は、賃貸借契約書やホテルからの予約証明などが必要になってきます。
  • 海外で支給されている教科書のリストと受入れ学校で採用している教科書リスト: 海外で支給されている教科書は出版社が一つだけなのですが、国内では学校によって違う教科書を採択しています。教科書が異なる場合は、日本で新しく教科書を購入したりする必要が出てくるので、事前にどの教科書をそのまま日本で利用できるのか、どの教科書は入手する必要があるのかは調べる必要があります。
  • 日本人学校補習授業校などの日本語を媒体としている学校からの紹介状: おそらく、受け入れの学校としては、海外で主に英語での教育を受けている子女がどの程度日本の学校でやっていけるのかなどの情報が知りたいのだと思います。継承日本語の子女は、どんなにできる子供でも日本語能力は、日本語を母語とする子女と比べると数年くらいの差がでます。もし日本の通常の指導が理解できないなどの場合は、受け入れ側としてもなんらかのサポート体制を敷いておく必要があるので、ここら辺は事前に、受け入れ学校と相談した方がよいと感じます。
  • 作文や宿題のコピー: 上記の紹介状と同じく、受け入れ先の先生が、どの程度日本語ができる子供が来るのかが参考になるので、作文や宿題のコピーなどを送付しておくと、受け入れ側もやりやすくなるかと思います。
  • 予防接種記録: アメリカで受ける予防接種 (https://japanese-schools-newyork.com/?p=877)だけでなく、コロナのワクチンについての記録もなんらかの方法で提出できるようにしておいた方が良いとのことでした。

予算

日本の国籍を有している子女で、公立学校に一時入学するのであれば、費用はそれほどかからないはずですが、必要な教材などで思わぬ出費があるかもしれません。自分が調べた限りで、購入する必要がありそうなものは以下の通りです。学校の中には、指定のものを購入して欲しいという学校もあれば、学校が指定のもの以外で良いと言っても、子供たちが他の子供と同じものがいいと言ったりして、結局購入する必要があるものも出てきます。ある程度の予算は事前に確保しておいた方が良いかもしれません。

  • 教科書: 基本的に教科書は無料配布されるものなのですが、海外で教科書を受領している子女の場合は再度無料配布は受けられないので、学校から購入する必要があることもあります。一冊800円くらいですが、購入が必要な教科が複数になる場合や、複数の子供がいる場合などは思わぬ出費になる可能性もあります。短期であれば、学校の中には貸し出しをしてくれる所や、コピーをとってくれるところもあるようです。 海外で配布している教科書のリストは、海外子女教育振興財団のページ (https://www.joes.or.jp/kojin/kyokasho) にあります。
  • ランドセル: 日本の小学校ではほぼ全員がランドセルを使っているので、通学し始めると、子供たちがランドセルが欲しいと言い出すことがあるようです。新品のランドセルは2-5万円くらいするようですが、中古のものであれば2-3千円くらいで購入できるようです。
  • 体操服、上履き、体操履、水着、給食のエプロンなど: 体操服や上履きなどは学校指定のものを購入する必要があるかもしれません。また、水泳を行なっている場合は、水着や帽子なども購入する必要があります。個々の必要な道具は多くありませんが、これも数が増えてくるとかなりの出費になります。
  • 給食費、災害共済給付の掛け金など: これも高くはありませんが、多く見積もっても給食費は100円/日程度、共済掛け金は500円/月くらいになるかと思います。
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