継承日本語の研究

継承語に関する研究について紹介しています。日本語に特化した研究以外にも、他の言語の研究なども紹介し、総合的に継承語の維持について考えています。他にも、継承語の研究に関する入門書なども紹介しています。

  • PBSのドキュメンタリーAsian Americansの無料公開

    PBSのドキュメンタリーAsian Americansの無料公開
    おそらく旧正月のためだと思うのですが、PBSが作ったドキュメンタリーのAsian Americansがオンラインで無料公開されています。第二次世界大戦中の日系人強制収容所、中国人排斥法、ベトナム戦争の戦争難民、アジアからのプランテーション労働者移民など、アメリカの歴史の中に深く根付いているにもかかわらず注目がされないアジア系アメリカ人の歴史について、非常に詳しく、画像や動画などを使って解説しています。 5時間近くのドキュメンタリー全部が見られるようになっているのですが、その他にも、テーマ別に、5-10分程度の短いエピソードがあり、それに付随した授業でのレッスンプランや、その他のリソースなどもダウンロードできるようになっています。
  • フレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Day (January 30)

    フレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Day (January 30)
    フレッド是松氏は、日系アメリカ人としてアメリカで第二次世界大戦を経験しましたが、その際に、日系人に強制収容所への移動を命じた「大統領令9066号」 (Executive Order 9066 (a.k.a., Japanese Internment order))に反対し続けました。 日系アメリカ人をスパイと敵視するアメリカ人、また、収容所でアメリカ政府の意向通りに大人しく収容されていた方がよいと考える日系コミュニティーから敵視され続けましたが、戦後も「大統領令9066号」に関する違法性を訴え続け、1998年には、最高位の勲章である大統領自由勲章を受章しました。 カリフォルニア、ニューヨークなどでは、フレッド是松氏の誕生日 (1月30日)をフレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Dayとして、アメリカ憲法で保証された市民の自由の重要性を再確認する日としています。 2021年のフレッド・コレマツの日 / ...
  • BMCN「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)

    BMCN「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)
    バイリンガル・マルチリンガル子どもネット(BMCN)主催で、最近日本で制定された「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)が執り行われるそうです。以下、案内メールの一部をコピーしています。詳細は、BMCNのウェブサイト(https://www.bmcn-net.com/forum)を参照ください。 —————————– ご案内 「日本語教育推進法」に関する国際フォーラム〜グローバル人材を育む国内外の継承語教育推進のために〜 「継承語教育」にご関心のある世界の皆様へ さて、バイリンガル・マルチリンガル子どもネット(BMCN、代表中島和子)では、国際交流基金「知的交流会議助成プログラム」から助成を受け、今年10月から翌年3月にかけて、日本を含む世界6つの地域をつなぎ、オンライン国際フォーラムを開催致します。世界各地の継承日本語教育団体関係者や有識者、現場の教師や保護者等が、地域特有の情報を共有しつつ共通の課題を見出して、今後の継承語教育の推進に向けて協力態勢を築くことを目的としています。 10月は世界15の国・地域から総勢22名の登壇者の方々の録画講演を視聴していただき、11月に各地域に分かれて登壇者の方々を囲んでズームでオンラインディスカッションを行います。そして日本時間12月6日の「総括」では、「日本語教育推進法関係者会議」で座長を務められました西原鈴子先生、およびバイリンガル・マルチリンガル教育で世界的権威のジム・カミンズ先生にご講演をいただきます。なお、すべてのプログラムは録画され、参加者は2021年3月末まで閲覧可能となります。参加費は無料です。 —————————–
  • 日本財団の「グローバル若手日系人意識調査」のレポートと報告YouTubeビデオ

    日本財団の「グローバル若手日系人意識調査」のレポートと報告YouTubeビデオ
    日本財団が、2019年から行っていた全世界の継承日本語話者(日系人及びそのの子孫)の大規模調査の結果が、「グローバル若手日系人調査概要レポート」として発表されました。オンラインアンケート (約3800名)とフォーカルグループディスカッション (12都市グループ)という、これまでにない規模での世界的な調査で、生まれ育っている国や環境に関わらず、若い継承日本語話者が共有する意識についての発見や議論が多くされてします。 レポートは、日本語版(10ページ程度の概要レポート)と英語版 (400ページの完全レポート)があり、英語版の方には、ここの質問に関するデータも載っています。レポートは、日本財団のホームページ (https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2020/20200831-48496.html)からダウンロードできます。あと、調査レポートを記者発表したそうで、その際のビデオがYouTubeに載っています。 https://www.youtube.com/watch?v=aFFAcXuf0qo 主な調査結果は、以下のような感じですが、これだけではあまりピンとこないので、日本語版の概要レポートか、YouTubeでの結果発表ビデオを見ると、いろいろ面白いことが話されていたりするので、是非、どちらかを見られるのをお勧めします。 若手日系人 (18歳から35歳の海外に移住した日本人及びその子孫)は日系アイデンティティーを確立しており、日系人としての意識を強く持っている。 若手日系人は他国の日系人とのつながりを求めている。 若手日系人は日本に強いつながりを感じている。 DiscoverNikkei主催で、この調査を実際に行ったDr. Curtiss Takada Rooks and Dr. Lindsey ...
  • 継承日本語話者に関するYouTubeビデオシリーズ (UCLAの林あさこ先生)

    継承日本語話者に関するYouTubeビデオシリーズ (UCLAの林あさこ先生)
    UCLAの林あさこ先生が、継承日本語話者の教育に関わる先生方や保護者の方向けのアクティビティ集をYouTubeで公開されています(https://www.youtube.com/playlist?list=PL_3NI26j3oIoK_BI32A4WU-MyBsFEbscd)。日本語を母語とする国語教育との違いなどが詳しく解説されてあり、継承語話者向けの色々なアイデアが紹介されています。継承語教育にこれから携わる保護者や先生におすすめです。 https://www.youtube.com/playlist?list=PL_3NI26j3oIoK_BI32A4WU-MyBsFEbscd
  • 兄弟姉妹間の継承語の使用率、保有率の差についての研究

    兄弟姉妹間の継承語の使用率、保有率の差についての研究
    Shin, S. J. (2002). Birth Order and the Language Experience of Bilingual Children. TESOL Quarterly, ...
  • 日本語、中国語、韓国語の継承語教育についての編集本

    日本語、中国語、韓国語の継承語教育についての編集本
    アメリカの言語学者の間では、CJKとまとめられて話されることが多い日本語、中国語、韓国語の継承語教育に関する編集本です。編集者は、継承日本語で著書が多い近藤ブラウン先生と、言語評価などが専門のJD Brown先生で、内容的には研究者向けの論文が多いと感じでした。継承日本語教育の研究は、韓国語や中国語など、継承語話者が多い言語に比べると非常に数が少ないので(特に英語で書かれたものは本当に少ないので)、貴重な論文集だと感じます。 Kimi Kondo-Brown and James Dean Brown. (2008). Teaching Chinese, Japanese, and Korean Heritage Language ...
  • Community-Based Heritage Language Schools Conference (Oct 9-10, 2020)

    Community-Based Heritage Language Schools Conference (Oct 9-10, 2020)
    毎年、様々な言語の継承語教育者や研究者が集まるCommunity-Based Heritage Language Schoolsというconferenceが10月にあるのですが、今年は、全てオンラインで行うそうです。とても面白いconferenceなんですが、場所がWashington D.C.で渡航費がネックになっていました。以前からすでに、オンラインでの参加も可能になっていたのですが、今年は完全にオンライン化したとのことです。参加費も$20と非常にリーズナブルに設定されていています。日本語の継承語に関する発表もありますが、それだけでなく、他の言語の継承語教育者が、どのように継承語学校を運営してきたかなどのアイデアなどが聞けたりと非常に新鮮なアイデアがもらえます。 2019年の情報がhttps://japanese-schools-newyork.com/?p=1594に、2017年と2018年の参加レポートがAATJのページ (こことここ)にあります。 Community-Based Heritage Language Schools: Promoting Collaboration and Advocacy Among Educators, ...
  • AG5プロジェクトのウェブサイト

    AG5プロジェクトのウェブサイト
    文部科学省の事業「在外教育施設の高度グローバル人材育成拠点事業」で、高度な(Advanced)グローバル人材(Global human resources)の育成を目的としたAG-5 (https://ag-5.jp)というプロジェクトのウェブサイトの紹介です。 全世界の日本人学校と補習校の支援を目標に、7つのテーマに沿って、先生や研究者の共同研究などをすすめるというプロジェクトで、AG-5とあるのですが、なぜか実際に扱うテーマは以下の7つになっています。 研究テーマ 1.日本人学校における高度グローバル人材の基礎的資質形成のためのプログラム開発 研究テーマ 2.日本人学校における総合学習型日本語力向上プログラムの開発 研究テーマ 3.日本人学校における教員(学校採用教員)の指導力向上のためのプログラム開発 研究テーマ 4.補習授業校における日本語能力向上のための総合的なプログラム開発 研究テーマ 5.日本文化発信の拠点形成プログラム開発 研究テーマ 6.ICTを活用した遠隔での教育の質向上のためのプログラム開発 研究テーマ 7.特別支援教育に関する遠隔指導実施に向けた実践的研究 どちらかと言うと、継承日本語の教育者、研究者向けのウェブサイトですが、非常に多くの研究資料や、教材などのアイデアがあります。基本的には文部科学省のこれまでの指針と同じく、日本帰国予定者向けの補習校への援助と謳っていますが、資料内容とかをみると、どこも補習校は永住者や長期滞在者向け子女の教材開発などがトピックに上がっていました。
  • 「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の閣議決定

    「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」の閣議決定
    ここや、ここでも紹介しましたが、日本での(非日本語母語話者に対する)日本語教育の制度化が進んでいます。 2019年6月には、「日本語教育の推進に関する法律」が公布、施行されましたが、それに続き、向こう5年間の取り組みを決めた「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」が2020年6月23日に閣議決定されたそうです。方針のコピーはhttps://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/other/suishin_houritsu/pdf/92327601_02.pdfで見られます。 これらの法律の成立過程については、「にほんごぷらっと」の以下の記事が詳しいです。 あと、「日本語教育の推進に関する法律」、「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」は、文化庁のこのページに掲載されています。 これらの法案は、主に日本国内で日本語を母語としない人たちへの日本語教育に関する施策なのですが、海外での継承日本語話者に関する項目も含まれています。これらの法律、方策では、「継承日本語」という言葉は使われず、「海外に在留する邦人の子等」への日本語教育という表記になっており、「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」では、pp.12-13に記載があります。向こう5年間でどういう施策を行うのかという具体例がいくつか書かれているのですが、まとめると以下のような感じです。 国際交流基金を通じて、継承日本語の教育形態や課題などについての実態把握を行う。また、「現地の日本語教育を行う機関」等と連携しつつ必要な支援を実施する。 教科書の無償給与、教師の派遣、校舎借料などを「在外教育施設」に行う。 中南米地域などには、JICAを通じた支援を行う。 上記の2点目や3点目に関しては、これまでも行われてきたことが書かれているように感じるのですが、国際交流基金の記述に関しては、国際交流基金は、日本語を外国語と学ぶ人への支援をするとということが多かったのですが、「現地の日本語教育を行う機関」で日本語を外国語として学習する学生だけでなく、日本語を継承語として学習する人たちへの支援も行うということで、継承日本語教育に関して少し進展があったように感じます。