日本語補習校での戦争教育について その1

これまでは日本語能力だけを目標に継承日本語教育を行ってきたのですが、子供が十代になると、世界の歴史に関する情報なども少しづつ学校やメディアなどで学習してくるようになりました。今回は、特に気になった日本語補習校での戦争教育について書いてみようと思います。 継承日本語教育を行っている (特に補習校として、日本の学習指導要領に沿って日本語の教科書を使って指導している)学校に行っている場合は、アメリカの学校で教えられる世界の歴史と、日本の学習指導要領による世界の歴史の間に違いが出てきます。アメリカではヨーロッパ史に重きが置かれて、日本ではアジア中心の世界史に注目するという地理的な理由による違いは良いのですが、歴史の解釈や視点が異なる場合は、継承日本語を学んでいる子女は、一つの歴史的事実に対して、二つの異なった視点を学校で教えられることになります。また、十代はアイデンティティーを形成する上で重要な時期なので、その異なる視点や意見を子供たちがどのように理解するのかは、子供の将来のアイデンティティ形成には非常に大事だと思います。