日本語で書かれたアメリカにおける継承日本語教育の歴史と展望

  • Douglas, M. O. & Chinen, K. (2015). アメリカの継承日本語教育. In アメリカにおける日本語教育の過去・現在・未来(Japanese Language Education in the U.S.: Past, Present and Future. (pp. xx-xx). Tokyo, Japan: 国際交流基金.

アメリカにおける継承語教育と、アメリカの日本語の継承語教育継承の変遷と課題についての論文です。アメリカの継承語教育の歴史的位置付け、アメリカでの継承日本語教育、日本語(外国語としての)イマージョン教育の歴史、これからの課題などが書かれています。非常に包括的な論文ですので、日本語でアメリカの継承語教育のことを知りたいということであれば、おすすめです。

これからの課題にもありますが、戦後に移民してきた新日系アメリカ人の子女が増えるにつれて、日本語の継承語教育とは何かということを継承語教育に携わる者の間で共通認識として持つ必要があるというのは実感します。日本の継承語教育は、日本の教科書を使って日本の教育指導要領に沿って授業をできるだけしようという形がほとんどです。日本に帰国する子女にとっては正しい目標ですが、アメリカで生まれたり、帰国を視野に入れていない子女にとっては、日本の教育指導要領はあまり意味がなく、逆に、目標とするアイデンティティーや言語能力と異なった目標を立ててしまうことで、子供達のやる気や興味をなくしてしまいがちです。継承語話者としての日本語やアイデンティティーとは何かということが大事だと自分も感じます。

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