毎年、Washington D.C.のAmerican Universityで行われている継承語教育に関するCommunity-Based Heritage Language Schools Conference (https://www.american.edu/soe/iie/heritage-language-conference.cfm)という学会がSaturday, October 12, 2019に開催されます。
日本語を含む、様々な言語の継承語学校の関係者(教員や運営者など)が集まる珍しい学会です。個人による発表がなく、どちらかというとワークショップに近い感じがしますが、それぞれの継承語学校がどのような環境で、どのような教育を行っているのかという情報交換ができるとてもよい集まりです。特に、アメリカの継承語教育に関わる全米組織の役員の人たちが来るので、それぞれの組織が継承語教育に対してどのようなサポートをしているのかというのがわかります。2019年に参加する団体は、以下の通りです。
- Center for Applied Linguistics (CAL)
- National Heritage Language Resource Center (NHLRC)
- National Council of Less Commonly Taught Languages (NCOLCTL)
- National Foreign Language Center (NFLC)
- Office of English Language Acquisition (OELA)
- U.S. Department of Education, Joint National Commission for Languages (JNCL)
- American Council one the teaching of Foreign Languages (ACTFL))
あと、継承日本語に関係するトピックとしては、カリフォルニアのオレンジコースト学園のBob Uriu氏とCalState Long BeachのMasako Douglas先生が行う継承語学校の運営に関するワークショップなどは、興味深いかもしれません。両氏は、いかにオレンジコースト学園が文科省の教科書を利用した日本語教育から、独自のカリキュラムによる継承語教育に変遷していったかなどについて、以下のような論文を書いておられますので、おそらくカリキュラムに関する話なども聞けるのではないでしょうか。
Uriu, R. M. & Douglas, M. O. (2017). Crisis, Change, and Institutionalization: Adopting a New Curriculum at a Japanese Weekend School. In O. Kagan, M. Carreira, & C. Hitchens-Chik (Eds.), The Routledge Handbook of Heritage Language Education. (pp. 71-84). New York, NY: Routledge.
ちょっと残念なのは、去年まではD.C.で参加できない人のために無料のオンラインでの参加があったのですが、今年からはオンラインでの参加は$50の有料になっていました。