2022年6月17日に、「在外教育施設における教育の振興に関する法律」という法案が可決されたそうです。あまりニュースなどでは報道されていませんが、大まかには、補習校を含む在外教育施設での邦人の子女(海外で生活する日本人の子女)への教育を「国の責務」として行うという内容のものです。具体的に、これまで文部科学省や外務省が行ってきた在外教育施設への支援と比べてどのような変化があるのかというのはわかりませんが、海外でも日本人の子女が教育を受ける権利を法律として決定し、予算などを法的根拠に基づいて要求できるようになったというのは良い変化だと思います。
成立した法律に関しては、参議院のウェブサイトおよび文部科学省のウェブサイトで閲覧することができます。
上記の法律から、重要と思われるところだけを抜粋しています。
基本理念
- 在留邦人の子の教育を受ける機会の確保に万全を期すること。
- 在外教育施設における教育環境と国内の学校における教育環境が同等の水準となることが確保されることを旨とすること。
- 在留邦人の子の異なる文化を尊重する態度の涵養と我が国に対する諸外国の理解の増進が図られる
ようにすること。
基本的施策
- 在外教育施設の教職員の確保
- 在外教育施設の教職員に対する研修の充実等
- 在外教育施設における教育の内容及び方法の充実強化
- 在外教育施設の適正かつ健全な運営の確保
- 在外教育施設の安全対策等
- 在外教育施設を拠点とする国際的な交流の促進等
- 調査研究の推進等