日本語の国語教育(学習指導要領)と継承語教育への子女と保護者の反応

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  • Doerr, N. M. & Lee, K. (2009). Contesting heritage: language, legitimacy, and schooling at a weekend Japanese-language school in the United States. Language and Education, 23(5), 425-441.

日本語補習校(土曜日学校)における日本語の教育カリキュラムについて、日本の「学習指導要領」にそった国語教育と、アメリカ長期滞在者、永住者向けの継承語カリキュラムについて、学校運営者、保護者、子供とのインタビューを通じて、それぞれのカリキュラムについての反応について書かれた論文です。

「日本語補習校クラス」と「継承日本語クラス」についての比較をインタビューしたものなのですが、継承語教育に関して、「日本語補習校クラス」についていけない落語者 (drop-out)のためのクラスであるとか、「日本語補習校クラス」は難しいクラスで「継承日本語クラス」は簡単なクラスであるなど、保護者や子供たちからはかなり批判的な意見が目立ちました。これは、以前紹介したCAのオレンジコースト学園などと違い、インタビューをした学校が、学校全部のカリキュラムを学習指導要領カリキュラムから継承語カリキュラムに変えずに、二つの違うプログラムを同じ学校に設置したからではないかと思います。ただ、日本政府から認定や支援を受けている週末学校(「学習指導要領」カリキュラム)は良い学校で、そういった支援を受けていない継承語学校は何か問題がある(簡単すぎるとか、学校として確立していないとか)という印象は、アメリカに在住する日本人の保護者の中ではかなりあるのは事実だと思いました。

4人の子女のインタビューが特に書かれていたのですが、それぞれ意見がかなり違い、補習校か継承語のプログラムに行くかどうかも選択肢として4人それぞれ違う結論に達しているのが印象的でした。インタビューで、他に目立った意見としては、駐在の子女と長期滞在/永住の子女の間での確執、保護者が受けた日本語教育が良い教育という前提、「日本人」であるというアイデンティティーと日本語学習への関連(「私は日系アメリカ人だから日本語を勉強しないといけない。」という感じのコメント)が多かったような気がします。

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