- Carreira, M. & Kagan, O. (2011). The Results of the National Heritage Language Survey: Implications for Teaching, Curriculum Design, and Professional Development. Foreign Language Annals, 44(1), 40-64.
- Carreira, M., Jensen, L., Kagan, O., & Giangrande, M. (2009). The Heritage Language Learner Survey: Report on the Preliminary Results. Retrieved from http://www.international.ucla.edu/media/files/paper.pdf
西海岸 (主にUC Schools)の継承語話者の大学生1,732名を対象に行われたアンケート調査。大学生の継承語話者の継承語の利用頻度、言語能力、継承語から英語への変遷過程、継承語を学ぶ理由、継承語に触れる頻度、英語の言語能力、継承語に関する興味について聞いた調査で、NHLRCというUCLAにある機関によって行われたアメリカの大学レベルの継承語話者としてはこれまでで最も大きな調査。
この調査によれば、継承語を保持するのに最も相関性があるのは生まれた国とアメリカに来た年齢との事で、例えば、11歳以降にアメリカに来た学生は継承語の能力が大学生になっても高い。また、どの言語の継承語話者であるかにかかわらず、継承語話者は聞く能力や話す能力の方が書く能力や読む能力より高いとの事。
この調査で面白いと思ったのは、スペイン語とロシア語の継承語話者は、アメリカに来てからも継承語に触れ続ける機会があると答えたものの、他の言語 (韓国語、中国語、タガログ語、ベトナム語など)は、継承語学校や教会でのクラスなどに通わないと継承語と触れる機会がなくなってしまったという点。おそらく、日本語も後者の言語グループに所属すると思うので、継承語の保持のためには、やはり日本語学校や日系コミュニティーとの頻繁な交流が必要だと感じた。