継承日本語学校の紹介

見学に行った学校や、人から聞いたNYでの日本語を重視した子供向けプログラムです。

  • ブルックリン日本語学園 (BJAFA) のオンライン説明会 (2/25/2024)

    ブルックリン日本語学園 (BJAFA) のオンライン説明会 (2/25/2024)
    ブルックリン日本語学園 (https://nihongogakuen.org) のオンライン説明会が、2024年 2月25日 (日)に行われるそうです。ブルックリン日本語学園は、日本人学校の補習校と同様に、日本からの支援を受けている正規の「補習授業校」なんですが、教育方針として、現地の多様な日本語環境にも対応するということで、日本人学校の補習校とは少し異なったカリキュラムを組んでいます。現地校とのスケジュール調整を楽にするために、9月入学(日本人学校の補習校は通常は4月入学)を行なっていたりするなど、特徴が多い補習校の一つです。 Title: ブルックリン日本語学園 (BJAFA) 新Pre-Kクラスのためのオンライン説明会 Date: Sunday, February 25, 2024 Time: 12:00pm-1:00pm Place: Online (Zoom) URL: ...
  • Long Island City YMCA 日本語アフタースクールプログラム 2024-2025の募集要項

    Long Island City YMCA 日本語アフタースクールプログラム 2024-2025の募集要項
    Long Island City YMCA 日本語アフタースクールプログラム 2024-2025の募集が始まったそうです。詳細は、以下のフライヤーを参照ください。 Long Island City YMCA 日本語アフタースクールプログラム 2022-2023 Overview: The Japanese Language After ...
  • NYC DOEによるアジア系アメリカ人の歴史の教科書

    NYC DOEによるアジア系アメリカ人の歴史の教科書
    アメリカの複数の州で、アジア人を含むアメリカの少数民族の歴史を公立のK-12の学校で教えるようにしようという運動があります。東海岸の中では、Connecticut, New Jersey, Rhode Islandでは、アジア系アメリカ人の歴史をカリキュラムに含まないといけないという法律がすでにできたそうです。 ニューヨークは、それらの州からは少し遅れているのですが、2022年くらいから少しづつアジア系アメリカ人の歴史をカリキュラムに導入する運動が起きています。その運動の一つとして、NYC DOE (Department of Education)が行なっている”Hidden Voices”というプロジェクトがあります。Hidden Voicesでは、これまで学校の歴史では脚光を浴びてこなかった人たち(LGBTQや少数民族の人たち)のアメリカへの歴史の貢献を教材化する取り組みが行われているそうです。 アジア系アメリカ人に関しては、Hidden Voicesプロジェクトで、アジア系アメリカ人の歴史に関するSocial Studiesの教科書を作成したそうです。 Louie, V., Joshi, ...
  • ニューヨーク総領事館による日本語の教科書の配布 (2023年後期; 2023年 9月7日締切)

    ニューヨーク総領事館による日本語の教科書の配布 (2023年後期; 2023年 9月7日締切)
    ニューヨーク総領事館による日本語の教科書の無償配布のお知らせです。在留届を出した日本国籍を有する小学生以上の子女で、ニューヨーク総領事館の対応州 (ニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルベニア州、デラウエア州、ウエストバージニア州、コネティカット州、プエルトリコ、バージン諸島)に住んでいる方は、以下の手順で教科書の無償郵送(郵送費は含まず)が受けられるそうです。申請期間は、2023年9月7日(木)必着とのことです。
  • 週刊NY生活 School Life 特集 2023-2024

    週刊NY生活 School Life 特集 2023-2024
    週刊NY生活誌が毎年やっている「School Life特集」の2023年度版が今週号の紙面に載っています。 https://nyseikatsu.com/editions/903/903.pdf 2020-2022年までの特集と比べると、もうすでにコロナ対策などは書かれておらず、コロナ後の各学校の特色などを紹介しているようです。今年、紹介されている学校のリストは以下のとおりです。 全日制日本人学校 スターチャイルド・デイケア こどものくに幼稚園 リセ・ケネディ日本人学校 (*補習校も併設) ニューヨーク育英学園 フレンズアカデミー ニューヨーク日本人学校 ニュージャージー日本人学校 ニューヨーク市立PS147 あおぞらアカデミー NJこぐま幼稚園 補習授業校 Alto 日本語補習校 育英サタデー・サンデー・アフタースクール プリンストン日本語学校 ニューヨーク補習授業校 ニュージャージー補習授業校 ブルックリン日本語学園 学習塾 駿台ニューヨーク校・ ニュージャージー校 早稲田アカデミーニューヨーク校 Z会・栄光ラーニングセンター おかがき ONLINE SCHOOL みらい塾 ヴァーテックス・エデュケーションズ
  • 日本の小学校への夏の体験入学 2023年 (その3: 体験入学後)

    日本の小学校への夏の体験入学 2023年 (その3: 体験入学後)
    約2週間の日本の小学校での夏の体験入学を終え、ニューヨークに戻ってきました。今回は、体験を終えた後の感想の備忘録です。 期間は2週間だと短い 初めての体験入学だったので、ちょっと短めに2週間にしたのですが、やはり期間は2週間だとちょっと短いかと感じました。特に、終業式前は、授業などもまとめなどになったり、短縮授業があったりするので、実質の授業は2週間よりも短かったです。日本のほとんどの自治体では、7月下旬に終業式があり (今年はほぼ全部の場所で7/21/2023)、ニューヨークの公立学校では6月下旬(2023年は、6/27/2023)に学校が終わるので、ニューヨークの学校終了後に行くと3週間くらいは体験入学できることになります。ニューヨークの学校を数日休んで週末をうまく利用すると、一ヶ月くらいの体験入学も可能です。もう一度行く際には、今度は2週間よりも長めにしようかと思います。 子供の日本語への興味は伸びる これは、どの体験入学経験者の方もいうことですが、子供の日本語への興味は体験入学後に飛躍的に伸びました。特に4年生の上の子供は、体験入学前には泣きながら漢字の宿題をしているくらい、漢字の学習が嫌いだったのですが、体験入学後に漢字辞典を購入し、自分から漢字の学習をするようになりました。どこかのリサーチで、兄弟間の使用言語(兄弟だけで話す際に英語を話すか日本語を話すか)が継承語話者の継承語保持のpredictorの一つであると読んだので、常々、子供たちだけで会話をしている際にはかなり注意して英語を使っているか日本語を使っているかを見ていたのですが、体験入学後は兄弟間の使用言語が日本語に増えたと感じます。直接、何が面白かったか聞いてみたら、関西弁が話せるようになったこととか、新しいジャンケンの仕方や手遊びなど、自分が予想もしなかったことに興味を持って日本語への学習への興味を高めてくれたのは良かったです。 親は時間を持て余す せっかく日本に一時帰国したのに、子供が平日は学校に行っているので、観光などの他の活動はしづらかったです。いろいろやりたいこともあったので、最初は学校が終わってから色々な活動をすることを予定していたのですが、子供もかなり疲れてしまい宿題もあったので、なかなか平日は学校に行く以外は何もできない感じでした。最初の週末には観光をしたのですが、子供たちがかなり疲れてしまい、次の月曜日の朝はだいぶ疲れた感じで日本の学校に登校していきました(上の子はクラスの途中で居眠りしてしまい、先生に叱られてしまったそうです)。最終的には、学校での体験入学をしている際には極力他のイベントは入れないようにしたので、子供達は体験入学に集中できたのですが、親としては一時帰国中に日本でやりたかったことは全部できませんでした。 全体的には、他の体験入学をした保護者の方からも聞いていた通り、日本語能力と日本語への興味は体験入学を通じてかなり伸びると感じました。初めての体験入学だったので、調べることや手続きのやり方などに時間がかかりましたが、定期的(毎年とか一年置きとか)に体験入学をしてみると、もっと効率的になるのかと感じます。
  • ニューヨーク近郊での継承日本語学校のリスト

    ニューヨーク近郊での継承日本語学校のリスト
    ニューヨーク近郊での日本語バイリンガル/継承語学校の情報をここ (https://japanese-schools-newyork.com/?page_id=127)でまとめています。就学年齢、連絡先、料金などもっと詳細が書いているリストが必要な方は、メール (tomonori_nagano@hotmail.comでご連絡ください。リストの情報が古かったり、新しい日本語教育施設などがあるようでしたら、サイトのしたのコメント欄に投稿していただければアップデートします。
  • 日本の小学校への夏の体験入学 2023年 (その2: 初日)

    日本の小学校への夏の体験入学 2023年 (その2: 初日)
    2023年の夏に一時帰国し、日本の小学校での夏の体験入学をすることにしました。前回の手続き編の続きで、今回は日本到着から体験入学初日に関する体験記です。 日本に到着の翌日に、市役所に行き、一時体験入学の手続きをしてきました。滞在先は、比較的大きな市でしたので、おそらく以前にも体験入学の手続きをしていたことがあるようで、話をすると簡単に手続きをしてくれました。自治体ごとにかなり手続き方法は異なるようですが、自分がお願いした市では、体験入学の方法は二種類あるとのことでした。 住民票を日本の住所に戻し(「転入届」を市に提出し)、入学時に「就学届」を出し、日本出発時に(住民票を抜くとともに)「退学届」を提出する。夏の早いうちから日本に滞在して、数ヶ月の体験入学をするのであれば、この方法を薦められているようでした。通常の子女と完全に同じ手続きなので、いろいろ提出書類などは増えるようですが、学校に滞在した事が正式な記録として残ったりするようです。住民票を抜く(「転出届」をしに提出する)際に、学校から退学する「退学届」も提出する必要があるので、二度、市役所に行く必要があるそうです。 住民票は戻さず、「就学届出書」を提出する方法もあるとのことでした。上記の正式な方法と学校での具体的にどのように違うのかはよくわからないのですが、上記のような「就学届」などよりも少しインフォーマルな、短期滞在子女の就学のための手続きのようでした。数週間や1ヶ月程度の体験入学には、こちらの方をお勧めしているようでした。この場合は、「就学届出」を出す際に最終日も連絡して、退出手続きも同時に行なっているとのことで、市役所での手続きは一回で済みます。 市役所での手続きの直後に、受け入れ先の小学校に子供を連れて挨拶に向かいました。受け入れ先の小学校とは事前に何度も連絡を取り合い、到着時には学校には必要そうな情報は全て提出していたのですが、「市役所に行ってから来てください」と言われていたので、体験入学などは学校の裁量で受け入れを決めたりすることはできないのだと感じました。 学校での手続きは非常に簡単でしたが、当然ながら非常時の連絡先などの書類を提出する必要があり、まだ日本は全て手書きでの書類なので、兄弟それぞれ記入する必要があるので、何度も同じことを記入すう必要があり大変でした。また、どこの小学校でも最近はGPSを使ったセキュリティー対策をしているそうで、非常に短期の体験入学だったのですが、そういったセキュリティーのアプリなども入手する必要があり、その点は少し大変でした。手続き後感じたのですが、学校としては体験入学などで入学する子女にとって何が必要で何が必要でないかなどはわからないので、必要かどうかがわからない場合は、とにかく提出してもらおうという感じだったのだと感じます。ですので、手続きは実際に必要以上の書類の提出を求められていたと思います。絶対に必要がない(例えば、PTAの加入とかなど)は、保護者の方からこれは絶対必要がないと強く言った方がよいかもしれません。 学校を訪ねた際に、担任の先生が来られて、簡単に翌日の事などを説明してもらいました。担任の先生に会うまでは、連絡は事務の方と取り合っていたので、担任の先生の名前なども知らなかった状態だったのですが、担任の先生に会うと、そこから怒涛のように細かい情報が入ってきました。例えば、体育の授業が全てプールになっている事や(赤白帽なども持っていったのですが、全然必要なかったです)クラスで統一している用具(サイズの指定があるカバンなど)の情報など、とにかくたくさんの情報をもらい、そこから学校用の水着の購入や、カバンや給食着の購入など、いろいろ大変でした。毎日宿題もあるとのことで、宿題の情報や、時間割などももらいました。 学校を訪ねた翌日から、正式に体験入学を開始したのですが、二人の子供とも、それなりに楽しかったようです。まだ初日の感想ですが、忘備録までに書き留めておきます。 やっぱり体験入学は、1年生から始めた方が友達ができやすいみたい。下の子は、初日から仲の良い友達ができていたみたいだけれども、高学年から始めた上の子は、初日からすぐに友達はできていないみたい。 日本の学校の文化の紹介をしている動画などを見ておいてよかった。自分たちが見たのは、NHKの「おばけの学校たんけんだん」という番組で、多分、新一年生のために作られた番組で、学校でのきまりや活動などを紹介している。アメリカにはない給食や掃除などの知識を事前に知る事ができてよかった。 補習校では問題なく日本語が使えていても、高学年だと少し日本語で大変そう。国語以外のクラスは楽しいみたいだったけれども、国語のクラス(特に漢字)は苦労しているみたい。 友達との話をするために日本のテレビや、流行りのテレビ番組などは見ておいた方が話がしやすいかもしれないと思った。アメリカで流行っている日本のテレビや、実際に日本で子供が話すようなトピックには差があるようなので、なんとかして日本の流行りなどを調べられたらよかったかなと思った。
  • 日本の小学校への夏の体験入学 2023年 (その1: 手続き)

    日本の小学校への夏の体験入学 2023年 (その1: 手続き)
    2020年にCOVID-19の為キャンセルしなければならなかった日本の小学校での夏の体験入学 (https://japanese-schools-newyork.com/?p=1822) を2023年の夏にする計画をしています。まだ手続きをしている状況なのですが、手続きで必要だったことなどを書いておこうと思います。 2020年の際の手続きと比べて感じたのは、全体的に手続きがスムースにいっていると感じます。いろいろ理由を考えたのですが、COVID-19の為に、多くの学校既存の手続きなどが大幅に改正されて、新しいことがしやすくなったというのがあると思います。日本の市役所や学校は、良くも悪くも前例にとらわれることが多く、前例がないことはしにくかったのですが、COVID-19の中で前例にとらわれない手続きのやり方などが確立されてきたのかと感じました。あと、もう一つの理由は、これは直接的な影響は少ないと思うのですが、「在外教育施設における教育の振興に関する法律」が2022年に施行され、同法の「基本的な方針」が2023年に発表されたのがあるのかもしれません。これらの新しい法律で、在外にいる日本邦人の子女の教育が国の責任として明示されたので、海外にいる子女の教育に関しても日本の子女と同様に教育への法律的な義務が明確にされました。ただ、同法の主な対象は、海外で一時的に日本の教育を受ける状況にある邦人子女で、夏の一時体験などは対象となっていないので、あるとしても間接的な影響だと思います。 以下、手続きに関してのいくつかのポイントを書いています。 学校選びの調査 日本に実家がある方などは、学校選びなどはしなくても良いかと思うのですが、実家がなかったり、実家に泊まるスペースがない場合は、学校探しから体験入学のステップが始まります。学校探しには、https://www.gaccom.jpが、学校の施設、採用している教科書、口コミのレビューなどがあり、とても参考になります。特に大事なのは、終業式などのスケジュールで、日本の学校は大体7月下旬まで二学期があるところが多いのですが、中には早めに終業式がある学校もあるので、要注意です。 自分の場合は、実家はすでに引き払っていたのですが、実家付近の友人宅にお邪魔することになったので、学校は自分が通っていた母校の小学校になりました。 役所と学校での手続き 夏の一時帰国の際の体験入学に関するウェブサイトや体験談がいろんなところにありましたが、どこでも役所や学校での手続きは、地域や担当者によってまちまちであるとのことがよく書いてありました。実際、自分が2020年に問い合わせした時と、今回、問い合わせしたときでは役所や学校での対応も(同じ役所と学校なんですが)かなり異なっていたので、これは正しいのだと思います。自分の場合は、上記の通り、全般的に夏の一時帰国の受け入れはかなりスムースに手続きが進んだ感じがしましたので、これはありがたかったです。理由はわからないのですが、おそらくコロナの際に日本全体で、前例主義的な組織運営から、現場の対応などを重視した運営に少し変化があったのではないかと感じました。 役所(小学校の学務に関する部署)での手続きでは、住民票を戻して小学校に正式に転入する方法と、住民票を戻さずに一時体験をする方法の2種類の方法のオプションがありました。国民健康保険に加入したり、マイナンバーを取得するために住民票を戻すのであれば短期でも住民票を戻してもいいのかもしれませんが、自分の場合は、体験入学が2週間程度と短いので、住民票を戻さない一時体験の方法を選びました。どこかで、住民票を戻して正式に転入すると、小学校の受け入れ先での手続きや負担が増えるということをどこかで読んだのも理由の一つです。これは実際に日本で手続きをしてみて、どっちの方が良かったのか、後ほど書いてみようかと思います。 コミュニケーション方法 学校によるのかもしれませんが、自分の地元の学校では、ほとんどの学校がメールアドレスを公開せず、電話番号とfaxだけが公開されていました。2020年の時も同様な感じだったのですが、外部からの問い合わせに関しては、いまだに電話などが主流なのかもしれません。他方、ウェブサイトに載っている資料などは、2020年と比べるとかなり多くの資料が公開されていて、これは非常にありがたかったです。まだ色々問い合わせなどの連絡をしている過程なのですが、これまでで使えるサービスなどは以下のようなものです。 Dropbox Fax/HelloFax (https://app.hellofax.com/): HelloFaxというオンラインでFaxを送るサービスがあったのですが、この会社がDropboxに買収されて、Dropbox Faxという会社になりました。HelloFaxはインターフェースがいまいち使いづらかったのですが、Dropbox Faxは、かなりわかりやすいインターフェースで、使いやすくなっていました。無料でアカウントを作成できて、アメリカ国内のFaxは無料ですが、日本へのFax送信は、一枚あたり$0.99かかるそうです。 Skype Number (IP phone; https://www.skype.com/en/features/online-number/): Skype numberは、日本のIP電話番号 (050で始まる電話番号)を入手できるサービスです。他にも色々なIP電話サービスがあるのですが(中には無料で番号を入手できるというものもあるようですが)、IP電話はそれ自体がすでに少し信頼性が欠けるサービスなんで、大手のSkypeを利用することにしました。Skype ...
  • 北米の日本人学校補習授業校(日本語補習校)のリスト (2023年時点)

    北米の日本人学校補習授業校(日本語補習校)のリスト (2023年時点)
    「在外教育施設における教育の振興に関する法律」が2022年に公布・施行され、日本政府が支援する日本人学校と補習授業校の在り方に大きな変化がありそうです。現時点では、具体的にどのような変化になるのかはわからないのですが、少なくとも注目度が上がっているのは確かで、これまでは、かなりバラバラになっていた日本人学校と補習授業校の系統だったリストなども公開されています。 海外での継承語教育にかなり興味がある人にしか知られていないのですが、いわゆる、「補習校」とか「土曜日学校」とか言われる学校には、日本政府が支援をしている「補習授業校」と、そうでない「継承日本語学校」というのがあります。どちらも、平日には現地校に通う日本にルーツのある子女のための学校なのですが、政府からの支援があるかどうかで大まかな学校の方針に違いが出てきます。 通常、日本政府から支援を受けている「補習授業校」は、以下のような特色があります。 目的は、日本人の子女に、日本の国内で使用している教科書を使用して、日本のカリキュラムに沿った教育を行う。名目上の目的は、日本人子女が海外滞在をした後も、日本に帰国した際に日本の学校に問題なく編入するように準備すること。基本的には日本国籍を持つ子女のための学校。 上記の目的は、少しずつだが変わってきている。以前は、「補習授業校」には、3-8年くらいで日本に帰国するであろう一時滞在者の子女が多かったが、最近では、日本に帰国の予定がない、いわゆる永住組の子女も「補習授業校」に通い出している。他方で、日本の国内で使用している教科書を使用して、日本のカリキュラムに沿った教育を行うという点に関しては、今も行われており、そこは変化の兆しはない。 日本政府が先生の給与や、借用校の賃料などを支援してくれるので、授業料などの費用が支援のない「継承日本語学校」に比べるとある程度は安価になる。 日本のカリキュラムに沿って授業を行う必要があるので、多くの永住組子女はカリキュラムについていけず、3-4年生くらいでドロップアウトすることが多い。 「補習授業校」でない「継承日本語学校」の特色は以下の通りです。 目的は、アメリカに永住するであろう子女が、日本の言語や文化を継承できるようにすること。カリキュラムは自由で、中には日本のカリキュラムに近いものを採用する学校もあれば、独自のカリキュラムを作成して教育するところもある。 「継承日本語学校」のほとんどは、永住組の子女の保護者や、地元の永住組の名士が主体として作っているものが多い。地元との結びつきが強く、コミュニティー形成を目標にしているところが多い。 予算は、授業料からの収入だけで賄っていることが多い。地元からのサポート(施設を安い賃料で貸し出すなど)や、保護者のボランティアやファンドレイジングなどで、できるだけ授業料を安くしようとしている。 永住組のカリキュラムを採用しているので、日本語能力がカリキュラムについていけずドロップアウトすることは、あまり多くない。ただ、カリキュラムは学校によってかなり違い、中には「補習授業校」とあまり変わりないカリキュラムを採用しているところもあったり、確立したカリキュラムがない学校もある。 保護者にとっては、子供を週末に日本語学校に通学させることを考える際に一番気になるところは、子供がどれくらい日本語が話せるようになるのかということだと思います。日本語能力だけを考えると、「補習授業校」の方が、最終的に身に付く日本語能力は高いと思います。ただ、実際に通う子女にとっては、教育目的の違いの方が大きな要素になります。「補習授業校」は、子女を日本人として教育する場所なので、自分はアメリカ人であるというアイデンティティーがある子女にとっては、毎週、自分のアイデンティティーと齟齬のある教育を受ける必要があり、日本語能力だけでなく、アイデンティティー形成上も大変な経験をするかもしれません。「補習授業校」に通って3-4年生でドロップアウトした子供達にとっては、「補習授業校」での経験は、自分が日本人になれなかったという悲しい証明であるという体験もよく聞きます。もし、永住組の子供たちが日系アメリカ人として生きていくことがはっきりしているのであれば、「継承日本語学校」に通学し、「不完全な日本人」としてのアイデンティティーを形成するよりも、「日系アメリカ人」としてアイデンティティーを形成する方がよい選択であるかもしれません。 2023年時点で外務省が公表している北米の「補習授業校」はhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/kaigai/kyoiku/index.htmlにあります。。このリストにない学校は、「継承日本語学校」になります。