国際交流基金が3年ごとに全世界の日本語教育機関や学習者を調査する「海外の日本語教育の現状」(https://www.jpf.go.jp/j/project/japanese/survey/result/)の2024年の集計結果が発表されました。
2021年の集計結果と比べると、全世界の日本語学習はコロナ禍以降、順調に伸び、日本語教育機関数は5.9%増、学習者数は8.5%の増加を見せたそうです。
全世界では日本語学習の人気が続いているのですが、北米では2010年ごろから始まった減少傾向に歯止めがかからず、2021年の結果と比べると、日本語教育機関数は5.5%減、学習者数は15.2%の減少がみられました。15%の学習者減少というのは、結構衝撃的な数です。北米で見られる外国語離れの中で、かなりがんばってきた日本語が、今になって学習者離れの波に飲まれたという感じがあります。

The Japan Foundation (2026). 海外の日本語教育の現状 2024年度日本語教育機関調査より (Survey Report on Japanese-Language Education Abroad 2021). Tokyo, Japan: The Japan Foundation. (p.49)
「海外の日本語教育の現状」の2015年から2024年までのニューヨーク州のデータを抜き出してみると、次のような傾向が見られます。
| 2015 | 2018 | 2021 | 2024 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| ニューヨーク州 | 初等教育 | 学習者数 | 27 | 203 | 225 | 11 |
| ニューヨーク州 | 中等教育 | 学習者数 | 2544 | 1946 | 2233 | 1489 |
| ニューヨーク州 | 高等教育 | 学習者数 | 4227 | 4722 | 5255 | 3247 |
| ニューヨーク州 | 学校教育以外 | 学習者数 | 2062 | 1213 | 839 | 2233 |
| ニューヨーク州 | 初等教育 | 機関数 | 2 | 4 | 5 | 1 |
| ニューヨーク州 | 中等教育 | 機関数 | 24 | 25 | 23 | 15 |
| ニューヨーク州 | 高等教育 | 機関数 | 41 | 48 | 41 | 32 |
| ニューヨーク州 | 学校教育以外 | 機関数 | 15 | 13 | 5 | 7 |
| ニューヨーク州 | 初等教育 | 教師数 | 2 | 21 | 58 | 1 |
| ニューヨーク州 | 中等教育 | 教師数 | 37 | 44 | 65 | 28 |
| ニューヨーク州 | 高等教育 | 教師数 | 128 | 161 | 178 | 110 |
| ニューヨーク州 | 学校教育以外 | 教師数 | 80 | 91 | 86 | 123 |
- 初等教育(Elementary & Middle Schools)に関しては、2021年までは順調な伸びを見せていたが、2024年には壊滅的な減少があった(学習者数 225名 → 11名)。
- 中等教育(高校)と高等教育(短大、大学、大学院)に関しても、2021年から2024年までの間に、学習者数、教育機関数のいずれも大幅な減少があった。
- この現象の中で大きな伸びを見せているのが、「学校教育以外」のカテゴリーです。学習者数は、コロナ後に大幅に減少して2021年には839名となったが、この3年で、コロナ前以上の学習者数(2233名)となっている。報告の内容によれば、「教育機関以外での学習方法として近年、オンラインやアプリを利用した個人学習が一般的となり、その市場規模は年々拡大している。ある言語学習アプリの調査結果によれば、米国では若年層を中心に、日本語の学習者が増加している。」とのことです。
「学校教育以外」のカテゴリーが伸びているのですが、北米の日本語の学習の目的という質問があるのですが、そこで「母語または継承語」であるという回答が56%となっていました。もしかしたら、継承日本語の学生の多くが、学校以外の場所(オンラインやアプリなど)で継承日本語を学習しているのかもしれません。
