1980年代のニューヨークでの継承日本語教育に関する記事

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1980年代の継承日本語教育についての記事をThe New York Timesで見つけました。二つ記事があり、一つは、全日の日本人学校についての記事、もう一つは、土曜日の補習校についての記事です。日本の高度成長期の最盛期で、経済分野で日本のプレゼンスが多くなり、ニューヨークの一般社会でも日本人コミュニティーについての興味が多かったことを伺わせます。

今、北米には4校の全日制日本人学校がありますが、そのうち2校はニューヨーク周辺にあります(ニュージャージ日本人学校とニューヨーク日本人学校)。これらの学校は、もともと1970年頃から増加してきた日本からの一時駐在家庭の子どもたちの教育のために設立された経緯があります。現在、ニューヨーク日本人学校はコネチカット州のリバーデールにありますが、設立当初はニューヨーク市内にあり、1980年代にはクイーンズにも全日制日本人学校が存在していました。また、それとは別に、現地校に通う日系の子どもたちのための補習校がニューヨーク各地にあったそうです(記事によれば12校もあったとのことです)。

記事の内容から、日本人学校に通う子どもたちも補習校に通う子どもたちも、最終的には日本に帰国するという考え方が確立していたようで、1980年代には「帰国組」と「永住組」というような区分はあまりなかったようです(あるいは、新聞記事など公式な場では「永住組」の子どもたちが話題に上ることはなかったようです)。

2000年以降は、北米の補習校に関して永住予定の子どもたちが増え、帰国後に日本の教育システムについていくことを目的としない保護者が大半を占めるようになりました。補習校は、日本の言語や文化をできるだけ保持することを目的としているという現在一般的に受け入れられている考え方とはかなり異なる雰囲気があったことが伺えます。

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