海外の日本語教育の現状 2018年度日本語教育機関調査

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もう去年の話で少し出遅れているのですが、国際交流基金 (The Japan Foundation)が3年ごとにやっている全世界での日本語教育機関の調査アンケートの2018年の調査結果がレポートとして発表されました。

  • The Japan Foundation. (2020). 海外の日本語教育の現状 2018年度日本語教育機関調査より (Survey Report on Japanese-Language Education Abroad 2018). Tokyo, Japan: The Japan Foundation.

全体の総評としては、日本語教えている国、機関、教員、学生数とも全て2015年から比べると微増しているそうです。ただ、全体の60% (学生数で言うと76.9%)が東アジア、東南アジアに集中しており、北米に注目してみると、日本語を教えている機関、学生数は微減とのことでした (教員数に関しては微増)。

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北米に関する詳しい報告は、p.48に書かれており、要点としては、以下のような点です。

  • 米国全体で、外国語教育の低下があり (e.g., MLA’s Modern Language Enrollment Surveys)、その影響で日本語教育、特に初等教育、中等教育で減少している。
  • 教員数は増加しているが、常勤が減少していて、その代わりに非常勤が増加しているケースが多い。
  • 増加に関しては、初等教育、中等教育で日本語教育を受けた学生が、高等教育でも引き続き日本語を学習しているケースが多い。
  • 学生の興味に関しては、「アニメ・マンガ・J-POP・ファッション等への興味」が最も高い。

継承語教育に関しては、全世界的には低年齢層での継承日本語教育が増加しているのですが、北米のレポートに関しては、継承語教育に関しては特に記載はありませんでした。他方で、北米の学習の目的のデーターを見ると、やはり北米でも継承語としての日本語教育を理由とする日本語学習は2015-2018年で増加しており、継承語の日本語教育における役割は、北米でも少しづつ増加していると思われます。

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