兄弟姉妹間の継承語の使用率、保有率の差についての研究

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  • Shin, S. J. (2002). Birth Order and the Language Experience of Bilingual Children. TESOL Quarterly, 36(1), 103-113.

家庭内で2人以上の兄弟がいる場合に、どの程度、継承語の保持に差が出るかを調査した研究です。研究対象は、韓国系アメリカ人で4-18歳までの2人以上の兄弟がいる家庭204名で、調査方法はアンケート調査を行なった結果を報告しています。対象言語が韓国語の一つだけで、200名程度のアンケート調査なので、それほど一般化できるものではないかもしれませんが、報告されたデーターは、継承語を話す家庭ではよく見られる事例だと思います。

何点かの報告があるのですが、主な議論としては、以下のような感じのことが報告されています。

  • 78.8%の第一子が、学齢期に達するまでは韓国語 (継承語)を両親と話していたが、学校が始まるとその率が34.1%に落ちた。
  • 第二子の同じデータを見ると、66.3%の第二子が韓国語 (継承語)話し、学校が始まると、その数は、26.8%に落ちた。
  • 第三子の場合は、42.9% (学齢期前)、23.8% (学齢期後)であった。
Shin2002Table1

その他、自己評価による韓国語 (継承語)と英語(現地語)や、独り言の際に使う言語についてなども調査されていましたが、どれも第一子が韓国語 (継承語)が第二子以降の兄弟姉妹よりも優勢だったそうです。

理由としては、第一子は、学齢期まで保護者と母語で話す割合が多いですが、第二子の場合は、その割合が減り、兄弟と現地語で話す割合が増えるからではないかと推察されていました。

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