子供が冬休みの際に、ニューヨークからの近場でお金のかからないところに小旅行しようと考えて、Poughkeepsieに行ってきました。Poughkeepsieは、ニューヨークから車で1.5-2時間くらいのところにあるハドソン川沿いの小さな町です。今回の目的は、安くて、車を運転しなくてもいい場所を探しました。
移動編
今回の小旅行は、車を運転しなくてもいい所を探したので、Metro-North Railroad沿いにある場所をいくつかリストアップして、ハドソン川沿いにあるPoughkeepsieはいいのじゃないかという、結構曖昧としたアイデアで決めました。ですので、移動はMetro-North Railroad(Hudson Line)を利用して、Grand Centralから2時間くらいかけて移動しました。Metro-Northは、Amtrakほどは快適ではないですが、混んでいないと広くスペースもあるし、料金も一人$20程度ととても安価なので、とても良かったです。線路は、ずっとハドソン川沿いにあるので、川沿いの景色をみてもいいし、読書などするのもありかと思います。
Poughkeepsieについてからは、Uberで移動しました。5-10分ほど待つことが多かったですが、料金は、こちらが申し訳なくなるくらい安価で($10以下のことが多かったです)、当初はUberがなかったらどうしようかと考えていたのですが、結局は、Uberはお願いできるけれども安すぎて申し訳ないから、できるだけ不要な移動はしないでおこうという感じでした。
宿泊編
Poughkeepsieは、小さい町で、それほど観光名所はありません。ピクニックなどができる季節には、観光者も多く宿泊施設もたくさんあるのですが、冬は完全なオフシーズンなので、宿泊料金は非常に安価です。自分たちは、Residence Inn by Marriott Poughkeepsieに泊まりましたが、広めの部屋で一泊$150程度でした。結構、豪華な朝食が付いていて、部屋も綺麗で、ジムなどの設備も新しくて整備されているので、とても良かったです。小さいキッチンがある部屋を借りたのですが、料理道具や食器がしっかり揃っていたので、当初は使う予定はなかったのですが、近くに大きなグロッサリーストアがあったので、そこで材料を買って自炊しました。
活動編
Poughkeepsieには、それほど観光名所がないので、結構やることは限られています。
- Franklin D. Roosevelt Presidential Library and Museum (Franklin Rooseveltの生家と大統領博物館)
- Walkway Over the Hudson (ハドソン川を跨ぐ歩行者専用の橋)
- Dassai (獺祭) Blue (日本の獺祭というお酒のブランドの酒蔵とテイスティングレストラン)
- Vassar College (有名なリベラルアーツ系大学のキャンパス)
おそらくPoughkeepsieに観光で来る人は、Franklin D. Roosevelt Presidential Library and Museumに行くのが目的の人がほとんどだと思います。Franklin D. Roosevelt (FDR)は1933年から1945年まで大統領だった、アメリカの歴史の中で唯一大統領を4期まで務めた大統領です。大統領を12年間(4期の途中)と異例の長さで務めたのは、世界大恐慌からいち早く経済を立て直したNew Deal政策の実施や、1941年の真珠湾攻撃から1945年の戦後の世界秩序の制定など、世界の大きな出来事の渦中にアメリカが重要な影響があったことが理由です。FDR Presidental Libraryには、その業績の詳しい資料が展示されています。
FDRのNew Deal政策は、最近、アメリカや日本で政府による大規模公共事業による経済発展を提唱している人たちのモデルとなる出来事で、その詳しい状況が時系列で出ているのは興味深かったです。特に印象に残っているのは、大恐慌時に取られた写真の中に、セントラルパークに不況で仕事や家を失った人たちがテントを張って住んでいる写真があり、世界の恐慌で、アメリカの不況の状況がどれほどだったのかが感じられました。大規模公共事業で不況から抜け出すというのは、経済理論的には簡単なのかもしれませんが、実際に、国が不況の真っ只中に、異例の財政支出を行うアイデアを実施するには、強い政治力や説得力が必要であったということが展示を見ていくとよくわかります(例えば、FDRは当時一般に広まり始めたラジオを通じての演説がうまく、その演説で民意をNew Dealに促したそうです)。
New Dealの直後に、1941年の真珠湾攻撃で、アメリカは第二次世界大戦に参戦するのですが、これは、New OrleansのThe National World War II Museumでも感じたのですが、アメリカの第二次世界大戦の認識は、ヨーロッパ戦線が主な認識で、対日のアジア戦線は、それほど歴史的にも紹介されていることが少ないと感じました。FDR博物館でも、日本のことは、当然ながら真珠湾攻撃の際には取り上げられるのですが、その後は、ヨーロッパ戦線が主に紹介されて、その後、日本がトピックとして出てくるのは、FDRが行った日系アメリカ人の強制収容所に関する展示の際だけでした。これは、日本では、第二次世界大戦が、アジアへの侵攻などのアジア戦線のことはあまり認識されないで、第二次世界大戦が対アメリカの戦争であったという認識が一般化されているのと対照的だと感じました。
あと、FDR博物館で、日系アメリカ人の強制収容所に関する展示があったのは、ちょっと驚きました。日系アメリカ人の強制収容所 (Internment Camps)は、アメリカの中では、いわゆる負の歴史で、FDRにとっては、死後に過ちであったとされる出来事だったのですが、そういう負の遺産についても大統領博物館で展示しているのは、素晴らしいと感じます。
最後に、FDR博物館は、FDRの生家の横に建てられたのですが、博物館の後に、生家の案内ツアーにも参加することができます。FDRは、若い頃にポリオを患い、下半身付随の状況で政治活動をしていたのですが、政治的な強さを演じるために、写真やテレビに出る際には車椅子は絶対に映らないようにしていたそうです。テレビの演説を行う際に、演説台まで数メートル歩くのがテレビに映るので、それを車椅子や杖なしで歩いているように見せるために半年以上リハビリして、テレビ上は歩いているように見せていたりしたそうですが、実際の生活は、ほぼ車椅子でした。生家の案内ツアーでは、FDRが政治活動を続けるために自作した車椅子や、その車椅子での生活の様子がわかる展示があり、とても興味深いと感じました。
最初の一日はFDR博物館で終わり、二日目は、Walkway Over the Hudsonに行きました。Walkway Over the Hudsonは、ただ、ハドソン川を歩いて渡れる橋なのですが、橋から見えるハドソン川や、山の景色などが美しく、子供も楽しく安全に歩ける場所でした。子供達は、ハドソン川を歩いて渡ったというのが、ちょっと嬉しかったみたいです。
まとめ
全体的には、10歳前後の子供たちにはとても良い場所が選べたと思いました。また、運転しないでいい気楽さと、有名な観光地でないオフシーズンの訪問だったので、全然お金がかからなかったです。電車も安く快適で、非常にコスパがよい楽しい旅でした。

