最近、継承語話者の子供を持つ人に日本語のために何かしていますかという質問をしたところ、よく「塾に通っています」という答えが返ってくるようになりました。ニューヨークでは、昔から日本に帰国予定の子女のために塾がよくあったのですが、あくまで目標は、日本に帰国した際の中学、高校、大学入試のためで、継承語保持のためのカリキュラムは少ないイメージがあったので、ちょっと驚いています。
他方、昔から塾は少人数制で(中にはオンラインで個人授業というのもある)、カリキュラムにそれほど縛りがなく、ここの能力によって指導方法がフレキシブルに変えられるので、継承語教育に関してはとても向いているとは感じていました。ただ単に、塾の先生方が、入試指導の知識が多く継承語教育に理解がなく、継承語話者が塾に行くと「できない子」という感じになってしまうことがあるので、継承語話者の子女が少なかったのだと思います。今、継承語話者が塾に行き始めているのは、おそらく塾の先生方でも継承語話者に関する認識が増えてきて、入試以外の目標での塾の利用が可能になったのではないかと思います。
簡単に調べてみたところ、ニューヨーク近郊では以下のような塾が運営されているようです。ウェブサイトでは、依然として、帰国後の入試対策というメッセージがよく見えますが、一部の塾では、「永住組向け」というような、継承語話者の子女のためのカリキュラムもあるようなことが書いてありました。
- SAPIX USA (http://sapix.nyc)
- ena国際部 (http://ena-kikoku.com)
- Z会/栄光ゼミナール (http://ze-edu.com)
- Mirai109 (http://www.miray109.com)
- 海外子女教育振興財団 (https://www.joes.or.jp/kojin/tsushin)
「永住組向け」という感じの記載がある塾に資料請求をして、またもう少し詳しく内容を見てみようと思います(料金などはどこのウェブサイトでも書いていませんでした)。