継承日本語の研究

継承語に関する研究について紹介しています。日本語に特化した研究以外にも、他の言語の研究なども紹介し、総合的に継承語の維持について考えています。他にも、継承語の研究に関する入門書なども紹介しています。

  • Okage Sama De @ Japanese Cultural Center of Hawai’i (JCCH)

    Okage Sama De @ Japanese Cultural Center of Hawai'i (JCCH)
    ハワイは、アメリカの中で日系人コミュニティーが最も早くにできた地域で、日系人の数も、他のアメリカの地域と比べて非常に多い州です。そのハワイに、the Japanese Cultural Center of Hawai‘i (https://www.jcch.com)という日本文化センターがあるのですが、そこで、”Okage Sama De: I am what I am because ...
  • 「国際結婚を考える会」 (JAIF & AMF)

    「国際結婚を考える会」 (JAIF & AMF)
    「国際結婚ハンドブック」など日本人が国際結婚をする際に非常に重宝する情報を作成している「国際結婚を考える会」ですが、最近は、日本の国籍問題についての活動を積極的に行なっているようです。こちらでも紹介している「国籍はく奪条項違憲訴訟」に関する情報や、専門家による勉強会、署名運動などを行なっていました。 つい最近まで知らなかったのですが、「国際結婚を考える会」という会は、2020年に以下の二つの別々の会に分かれているとのことです。 国際結婚を考える会 (Japan Association of Intercultural Families​ / JAIF) 旧国際結婚を考える会 (Association for Multi-Cultural Families / AMF) 分離の詳細はよくわからないのですが、どちらの団体も、国際結婚に関する重要な情報(国籍法、国際結婚に関する法律、国際結婚子女の教育、言語の問題など)について活動されているようです。 基本的にはどちらの会も、有料の会員になる必要があるので、一般に公開されている情報や勉強会はあまり多くはないようですが、それぞれの団体のウェブサイトに行くと、ある程度の基本情報については無料でウェブ上で公開されていました。
  • DiscoverNikkei / ディスカバーニッケイのサイト

    DiscoverNikkei / ディスカバーニッケイのサイト
    カリフォルニアにある全米日系人博物館の関係者が運営しているDiscoverNikkei / ディスカバーニッケイの紹介です。 アメリカの日系人に関するインタビューや、記事などが非常に多くあります。オンラインジャーナルの記事の中には、太鼓の歴史や、第二次対戦中の日系人のインタビューなどのトピックや、新日系人の日本に帰る時期や、「絆」に関する記事など、様々な状況にある日系アメリカ人のトピックが語られていました。 最近では、”Nikkei”と”nakama”を混ぜ合わせたニマ会というものを始めているとのことで、日系のいろんな人たちとのオンライン交流をしている会がYouTube上で公開されています。 https://www.youtube.com/watch?v=KuAN3-hF_RI&t=973s
  • 2005年から2019年のニューヨーク市の日本語話者数の変遷

    2005年から2019年のニューヨーク市の日本語話者数の変遷
    最近、ニューヨーク市における継承日本語教育の歴史について調査をしています。前回は、アメリカ全土の日系人数の統計を調査しましたが、今回は、ニューヨーク市に特化したデータ、特にここ15年くらいの日本語話者の変化について調べてみました。 前回のデーター同様、今回のデータもU.S. Census Bureauからの情報に基づいているのですが、いくつか違う点があります。 前回は、1870年から2014年まで、10年毎の日系人数を調査したのですが、その際には、10年ごとに行われるアメリカの国税調査 (U.S. Census)のデータを利用しました。U.S. Censusは、非常に短い調査表で、家庭での使用言語に関する質問などは含まれないのですが、調査時にアメリカに居住している全て(100%)の人を対象にしているので、誤差が非常にすくないです。 今回のデータは、U.S. Censusではなく、毎年行われているAmerican Community Survey(ACS)というデータを利用しています。ACSは、非常に長い調査表を利用していて、居住地や民族などのU.S. Censusで聞かれる項目以外にも、教育レベル、所得、家庭言語などの詳しい情報も聞かれます。今回は、ACSを利用しているので、日系アメリカ人というRace/Ethnicityの情報ではなく、家庭言語 (Home Language)という情報で、家庭で日本語を話す人の数を調査しています。 ACSは、家庭言語などの詳しい情報があり、目的に沿った情報を探すことができるのですが、対象は、ランダムに選ばれた1%未満のアメリカ在住者になっています。調査表が長いということもあり、回答率もU.S. Censusに比べるとかなり劣ります。1%未満のサンプルとはいえ、全体的にはかなり多くの結果を集計するので、統計手法を利用すると、ある程度のデータはU.S. Censusの精度とかなり近いレベルの結果を得られるのですが、今回のように、全体の調査対象が2万人程度のニューヨークに住む日本語話者という対象ですと、かなりの誤差が生じます。今回は、2万人程度の母体数で50近くのニューヨーク地域を調べたので、このレベルですと、本当にたまたま家庭で日本語を使用している人がサンプルに選ばれなかったという偶発的な要因で、数がかなり上下したりすることもあり得ます。 というわけで、以下のデータ見る際には、統計手法で全体値を推測しているので、ある程度の誤差があるということをお含みください。他方で、ACSは、過去5年分の統計上の推移も考えて全体値を推測しているので、誤差はあるものの、それなりの信用度はあると思います。   具体的な例で紹介しますと、例えば、最初の”NYC-Bronx Community ...
  • アメリカの日系人の人口統計 (1870年から2014年まで)

    アメリカの日系人の人口統計 (1870年から2014年まで)
    ニューヨークの継承日本語学校の歴史について調べているのですが、そのリサーチの一環として、1870年から2014年までのアメリカの日系移民の数をU.S. Censusのデータを利用して調べたので、ここで備忘録として書いておこうと思います。 1870年には、おそらく、ジョン万次郎やジョセフヒコなど漂流などでアメリカに入国した日本人や、明治維新後に設立された在アメリカ合衆国日本国大使館などの関係者、岩倉使節団での留学生と思われる人たち55名しかいなかった日系アメリカ人ですが、2014年には78万人近くになりました (正確には、ACSの推定値で、779,141名)。   全体的な流れの中で注目されるべきなのは、以下のような点です。 地理的には、今も、昔も、アメリカの日系人は西部に集中しているようです。2014年時点では、アメリカの日系人の71% (559,672人)がアメリカ西部に居住しています。特に、ハワイを含む太平洋沿岸諸州(Pacific)に日系人は集中しており、2014年時点で66%の日系人が太平洋沿岸諸州(Pacific)に居住しています。 1880年(全米で148名)から1910年(全米で72,3157名)にかけて最初の急激な増加があったようです。歴史的な背景としては、1885年の日布移民条約による日本からの公式なアメリカ移民の開始などがあげられます。1907年には、日米紳士協約などによる移民の制約がはじまり、1910年から第二次世界大戦終戦 (1945年)までは、日本からの移民の数は、それほど変化がないようでした。 第二次世界大戦などで日系人の数がどうなったかが気になっていたのですが、10年ごとに行われる国勢調査上は、1940年と1950年の日系人の数を比べても、急激に変化があったようには見えません。ただ、これは、日本の真珠湾攻撃が1941年に、第二次世界大戦終戦が1945年であり、この際には日系移民はおそらく帰国などでかなり減少したと思われるのですが、終戦後のGHQ占領下の日本から多くの日本人が米国に移民したため、1950年には以前よりも微増程度の日系人がいるのだと思われます。 1960年代の日本の経済復興により、1950年には141,768人であった日系移民は、1960年に464,332人、そして、バブル崩壊(1991年)の直前の1990年代には847,562人にまで増加しました。その後、2014年までは少しづつ微減が続いています。
  • 1900年-1940年のニューヨーク日系新聞(日米週報(時報) / 紐育新報)のアーカイブ

    1900年-1940年のニューヨーク日系新聞(日米週報(時報) / 紐育新報)のアーカイブ
    ニューヨークの日本語学校の歴史について調べていたら、とても面白いデータベースを発見しました。スタンフォード大学のHoover Institution Library & Archivesが主催するthe Japanese Diaspora Initiative (JDI)というプロジェクトで、1900年代から1940年代までのニューヨーク日系新聞 (日米週報(時報) / 紐育新報)が全て閲覧できるようになっています。 閲覧できるニューヨーク日系新聞は、以下の2種類です。 「紐育新報」は1911年に発刊、1941年まで発行されたニューヨークの日系新聞。JDIプロジェクトへのリンクは、以下の通り。 「日米週報 (時報)」は、1900年から1941年まで発行されたニューヨークの日系新聞。JDIプロジェクトへのリンクは、以下の通り。 いくつかの新聞を見てみたのですが、内容もさることながら、広告欄をみていると、当時のニューヨークの生活の様子が想像できてとても面白かったです。
  • PBSのドキュメンタリーAsian Americansの無料公開

    PBSのドキュメンタリーAsian Americansの無料公開
    おそらく旧正月のためだと思うのですが、PBSが作ったドキュメンタリーのAsian Americansがオンラインで無料公開されています。第二次世界大戦中の日系人強制収容所、中国人排斥法、ベトナム戦争の戦争難民、アジアからのプランテーション労働者移民など、アメリカの歴史の中に深く根付いているにもかかわらず注目がされないアジア系アメリカ人の歴史について、非常に詳しく、画像や動画などを使って解説しています。 5時間近くのドキュメンタリー全部が見られるようになっているのですが、その他にも、テーマ別に、5-10分程度の短いエピソードがあり、それに付随した授業でのレッスンプランや、その他のリソースなどもダウンロードできるようになっています。
  • フレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Day (January 30)

    フレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Day (January 30)
    フレッド是松氏は、日系アメリカ人としてアメリカで第二次世界大戦を経験しましたが、その際に、日系人に強制収容所への移動を命じた「大統領令9066号」 (Executive Order 9066 (a.k.a., Japanese Internment order))に反対し続けました。 日系アメリカ人をスパイと敵視するアメリカ人、また、収容所でアメリカ政府の意向通りに大人しく収容されていた方がよいと考える日系コミュニティーから敵視され続けましたが、戦後も「大統領令9066号」に関する違法性を訴え続け、1998年には、最高位の勲章である大統領自由勲章を受章しました。 カリフォルニア、ニューヨークなどでは、フレッド是松氏の誕生日 (1月30日)をフレッド・コレマツの日 / Fred T. Korematsu Dayとして、アメリカ憲法で保証された市民の自由の重要性を再確認する日としています。 2021年のフレッド・コレマツの日 / ...
  • BMCN「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)

    BMCN「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)
    バイリンガル・マルチリンガル子どもネット(BMCN)主催で、最近日本で制定された「日本語教育推進法」に関するオンラインでの国際フォーラム (2020年10月〜12月)が執り行われるそうです。以下、案内メールの一部をコピーしています。詳細は、BMCNのウェブサイト(https://www.bmcn-net.com/forum)を参照ください。 —————————– ご案内 「日本語教育推進法」に関する国際フォーラム〜グローバル人材を育む国内外の継承語教育推進のために〜 「継承語教育」にご関心のある世界の皆様へ さて、バイリンガル・マルチリンガル子どもネット(BMCN、代表中島和子)では、国際交流基金「知的交流会議助成プログラム」から助成を受け、今年10月から翌年3月にかけて、日本を含む世界6つの地域をつなぎ、オンライン国際フォーラムを開催致します。世界各地の継承日本語教育団体関係者や有識者、現場の教師や保護者等が、地域特有の情報を共有しつつ共通の課題を見出して、今後の継承語教育の推進に向けて協力態勢を築くことを目的としています。 10月は世界15の国・地域から総勢22名の登壇者の方々の録画講演を視聴していただき、11月に各地域に分かれて登壇者の方々を囲んでズームでオンラインディスカッションを行います。そして日本時間12月6日の「総括」では、「日本語教育推進法関係者会議」で座長を務められました西原鈴子先生、およびバイリンガル・マルチリンガル教育で世界的権威のジム・カミンズ先生にご講演をいただきます。なお、すべてのプログラムは録画され、参加者は2021年3月末まで閲覧可能となります。参加費は無料です。 —————————–
  • 日本財団の「グローバル若手日系人意識調査」のレポートと報告YouTubeビデオ

    日本財団の「グローバル若手日系人意識調査」のレポートと報告YouTubeビデオ
    日本財団が、2019年から行っていた全世界の継承日本語話者(日系人及びそのの子孫)の大規模調査の結果が、「グローバル若手日系人調査概要レポート」として発表されました。オンラインアンケート (約3800名)とフォーカルグループディスカッション (12都市グループ)という、これまでにない規模での世界的な調査で、生まれ育っている国や環境に関わらず、若い継承日本語話者が共有する意識についての発見や議論が多くされてします。 レポートは、日本語版(10ページ程度の概要レポート)と英語版 (400ページの完全レポート)があり、英語版の方には、ここの質問に関するデータも載っています。レポートは、日本財団のホームページ (https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2020/20200831-48496.html)からダウンロードできます。あと、調査レポートを記者発表したそうで、その際のビデオがYouTubeに載っています。 https://www.youtube.com/watch?v=aFFAcXuf0qo 主な調査結果は、以下のような感じですが、これだけではあまりピンとこないので、日本語版の概要レポートか、YouTubeでの結果発表ビデオを見ると、いろいろ面白いことが話されていたりするので、是非、どちらかを見られるのをお勧めします。 若手日系人 (18歳から35歳の海外に移住した日本人及びその子孫)は日系アイデンティティーを確立しており、日系人としての意識を強く持っている。 若手日系人は他国の日系人とのつながりを求めている。 若手日系人は日本に強いつながりを感じている。 DiscoverNikkei主催で、この調査を実際に行ったDr. Curtiss Takada Rooks and Dr. Lindsey ...