English Language Learnersに関するワークショップに行ってきました

上の子が通っているpublic schoolで、English Language Learners (ELL)に関するワークショプがあったので行ってきました。とても有益なワークショップでしたが、参加者は3名だけで、結構バイリンガルの子供が多い学校なのに保護者の興味が薄いのにはびっくりしました。

で、最も印象深かったのは、ニューヨーク州の規則で英語話者でない児童へのサポートを行うように規則があるのですが、その実施の仕方は、各学校でかなり異なるということです。中には、学校の大部分の児童がELLで、学校全体で児童の英語獲得に力を入れている学校もあれば、ほぼ全体が英語のみを話す児童で、ELLに対するサポートに関するノウハウが理解されていない学校もあるようでした。

日本語のDual Language Program (DLP)があるPS147など、ELLのサポートにDLP (50%英語話者、50%多言語話者がまざったクラスで、英語と児童の過程言語の二言語で指導するプログラム)はどんな感じですかという質問をしたのですが、実際上は、大体のところがtransitional programで大体DLPでも2-3年くらいで児童が英語だけのクラスに移行してしまうという話でした。ですので、DLPで例えば5年生に在籍する学生は、DLPをずっとKindergartenから続けてきたわけではなく、3年生くらいで移民してきた児童の子供がいるという感じみたいです。PS147の日本語のDLPでは、常に日本語を母語とする移民児童がいるわけでないので、そういう場合はどうなるのかと思いました。

ワークショップで大事だと思ったのは以下の通りです。

  • 子供がELLと判定された場合は、学校はニューヨークの州法 (NYSED Commissioner Regulations Part 154 (CR Part 154))に沿って、English as New Language (ENL)という英語の獲得を目標にしたサポート (90min – 360min per week)が受けられる。
  • ELLの判別には、学校に入学時のHome Language Questionnaire (HLQ)が使われる。Home languageが英語でない子女で簡易インタビューで英語での返答などができない場合は、ELLの判別テスト (New York State Identification Test for English Language Learners (NYSITELL))が実施される。NYSITELLの結果、ELLかELLでないかが判別される。
  • ELLに判別された児童には、毎年4-5月に、ELLの能力テスト (New York State English as a Second Language Achievement Test (NYSESLAT))が実施され、ELLの英語能力が判別される。ELLの英語能力はEntering level, Emerging level, Transitioning level, Expanding level, and Commanding levelで、Commanding levelになるとFormer ELLになる。
  • ニューヨーク州郊外では、ELLの数が少なくCR Part 154に基づいたサポートが実施されやすいが、ニューヨーク市内ではバイリンガルの児童の多さや、言語の種類の多さのため、CR Part 154が必ずしも規制通りに実施されているとは言い難い。
  • 上記のように法律が求めるサポートの内容と、現場で対応可能なサポートの内容には開きがある。これは、ELL選別の過程での文書の諸言語への翻訳数に如実に現れている。NYCでは、主に以下の9言語のみのサポートが行われていると考えて良い。

面白いと思った点は、CR Part 154(ニューヨーク市内では、さらにthe Aspira Consent Decree)によって、学校に20名以上の児童が同じ言語を家庭で話すか、15名以上の児童が2学年にまたがる(two contiguous grades)場合には、何らかのバイリンガル教育(ENLでの英語指導なども含む)を行わなければいけないということでした。その内容を話している際に、中国語を母語にする保護者の人が、WeChatでつながっている中国語母語の保護者ネットワークが70名ほどいるのだけれども、その内容のスライドをシェアしてもいいかと言ったら、プレゼンターの人も、学校の関係者の人も、「それはちょっと思い直してくれませんか。」というような反応でしたので、法律の内容と現場の現実の差が垣間見えたと思いました。

当日もらったハンドアウトの内容は、以下の通りです。

  • 2018–19 Elementary- and Intermediate-level Testing Schedule
  • NYSED Parents’ Bill of Rights for New York State’s English Language Learners
  • NYSED Home Language Questionnaire (HLQ)
  • CR Part 154-2 (K-8) English as New Language (ENL) Units of Study and Staffing Requirements
  • NYSED Blueprint for English Language Learner/ Multilingual Learner Success

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